姿勢改善・肩こり腰痛

スクワットで膝が痛む時の3つの原因と対処 — 10年指導してきた代表が、膝を守りながら続けるための考え方

「スクワットをすると、膝の前側が痛むんです...」

Re:Glowで指導している中で、本当によく受ける相談です。せっかくスクワットを始めて2〜3週間経った頃、膝に違和感が出てきて手が止まる、というパターンを何度も見てきました。

正直にお伝えすると、スクワットで膝が痛む原因は1つではなく、大きく3つに分かれます。そして、対処の仕方も原因によって変わります。何より大事なのは、「フォームの問題なのか、医療マターなのか」を最初に見極めることです。

今回は、10年指導してきた立場から、膝が痛む3つの原因と、膝を守りながら続けるための考え方を本音で整理します。

保戸塚 康裕
執筆 Re:Glow代表 保戸塚 康裕

NSCA認定パーソナルトレーナー(NSCA-CPT)。大手パーソナルジム勤務を経て独立し、Re:Glow パーソナルジムを設立。延べ3,000件以上のセッション実績を持ち、初心者から競技者まで幅広い層の指導を行う。

本記事は一般的な情報提供を目的としており、医療上の助言を意図するものではありません。

まず「危険サイン」と「フォーム問題」を見極める

膝の痛みには、すぐ運動を中止して病院に行くべき「危険サイン」と、フォーム調整で対処できる「フォーム問題」があります。

危険サイン(運動を中止して整形外科へ)
  • 鋭い痛み・刺すような痛み・ズキッとくる痛み
  • 関節がカクッと外れるような感覚
  • 階段を降りる時の強い痛み
  • 腫れ・熱感がある
  • 安静時にも痛む
  • 痛みが2週間以上引かない

これらに該当する場合、半月板・靭帯・軟骨などの構造的問題の可能性があります。フォーム調整で何とかしようとせず、医療機関を受診してください。

フォーム問題(調整で対処可能)
  • スクワットの最中だけ違和感が出る
  • 軽量にすると痛みが消える
  • 翌日には痛みが引く
  • 膝を曲げ伸ばしする特定の角度で痛む

このタイプであれば、これから紹介する3つの原因と対処で改善が期待できます(個人差はあります)。

関連記事: 関節が痛い時は、トレーニングを休んで病院へ行きましょう — 10年で学んだ、怪我と向き合う3つの鉄則

スクワットで膝が痛む3つの原因

フォーム問題と判断したら、原因を3つに絞り込みます。

原因① 膝が内側に入る(ニーイン)

スクワットを下ろす時、膝がつま先より内側に入ってしまうパターンです。この状態では、膝の内側の靭帯と関節に負荷が集中し、痛みが出やすくなります。

特にお尻(中殿筋)が弱い方に頻出します。鏡で横から自分のスクワット姿勢を確認すると、膝がふらついて内側に入っていることに気づける場合が多いです。

原因② 重心が前のめりになっている

つま先重心でスクワットをすると、膝が前にせり出し、膝関節への負荷が大きくなります。特に大腿四頭筋(太もも前)ばかり使う癖の方に多いパターンです。

正しいスクワットは、お尻を後ろに引きながら下ろす動きで、重心は土踏まず〜かかとに乗ります。「お尻を椅子に下ろす」イメージが近いです。

原因③ 可動域を超えた深いスクワットを行っている

「スクワットは深ければ深いほど良い」という思い込みで、自分の関節の柔軟性を超えて下ろそうとすると、膝の前側に痛みが出やすくなります。

足首・股関節の柔軟性は人によって違います。「フルスクワット」を全員が目指す必要はなく、フォームが保てる範囲が、その人にとっての適正な深さです。

関連記事: スクワットの深さは、人間味の深さなのか — 10年追い込んできた私が思うこと

続けるための4つの考え方

3つの原因に共通する対処の方針を、4つに整理します。

1. 重量を一度ゼロに戻す

痛みが出ているのに同じ重量で続けるのは、最も避けるべきパターンです。一度自重スクワット、もしくは10kg以下の軽量に戻して、フォームを再構築する期間を取ります。プライドを脇に置けるかが、ここで分かれます。

2. お尻と体幹を意識する

膝の痛みの多くは、お尻と体幹の弱さが背景にあります。中殿筋・大殿筋・腹横筋を意識的に使うトレーニング(クラムシェル・ヒップヒンジ・プランク等)を補助メニューに入れると、膝負担が減ります。

3. 「自分の適正深度」を受け入れる

人と比べない、SNSのインフルエンサーと比べないこと。自分の足首と股関節が許す範囲が、自分の適正深度です。浅くてもフォームが保てるスクワットの方が、深いけれどフォームが崩れたスクワットより、ずっと安全で効果的です。

4. 痛みが続くなら必ず医師へ

軽量化とフォーム修正で2〜3週間試しても痛みが消えない場合、構造的問題が隠れている可能性があります。整形外科を受診して、原因を特定するのが安全です。

関連記事: 筋トレは重量よりフォーム — 10年で確信した、最もシンプルで、最も破られやすいルール
次の一歩

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まとめ — 膝は替えが効かない関節

「スクワットで膝が痛む時、どうすればよいか」への私の答えは、「危険サインがあれば即病院、フォーム問題なら軽量化と再構築、自分の適正深度を受け入れる」 です。

膝関節は、人体の中でも替えが効かない関節の代表です。痛みを我慢して続ければ、半年・1年単位で離脱することにもなりかねません。逆に、プライドを置いて軽量化し、フォームを丁寧に作り直せば、長く続けられる種目です。

10年見てきて確信しているのは、膝を守る方ほど、結局スクワットの重量も伸びていくということ。短期の重量より、長期の継続を選ぶことが、結果としてゴールに繋がります。

日常に、整える時間を。
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