パーソナルトレーニングの効果

低血圧・立ちくらみと運動|朝のだるさを和らげる無理のない体の動かし方

低血圧で朝がなかなか起き上がれない、立ち上がると目の前がくらっとする——。

そのような悩みを抱えながら「運動した方がいいのか、やめた方がいいのか」判断がつかず、動けないままでいる方が多くいます。

低血圧傾向の方は運動していいのか(結論を先に):
状況運動の可否
軽い立ちくらみ・朝のだるさ程度、失神・動悸なし配慮をしながら運動を始められる可能性がある
週複数回以上の立ちくらみ、動悸・息切れ受診後に医師の判断を仰いでから開始する
失神・意識消失の経験あり運動前に必ず内科・循環器内科を受診する
何を避けるべきか(チェックリスト):
  • [ ] 寝たまま→座る→立つを急いで行う(体位変換を速くしない)
  • [ ] ウォームアップを省略する
  • [ ] 運動後すぐに動きを止める(クールダウンを省かない)
  • [ ] 高重量・息こらえを伴うトレーニングを初回から行う
  • [ ] 空腹時・食直後の激しい運動を行う
この記事で分かること(結論の先出し):
  • 低血圧・立ちくらみ(起立性低血圧)は、血液を心臓へ戻すポンプ機能が追いついていない状態
  • 下半身・体幹の筋力を高めることが、そのポンプ機能を補う現実的なアプローチになる
  • 運動中の安全の要点は「急な体位変換を避ける」「ウォームアップとクールダウンを丁寧に行う」の2点
  • 失神・強い動悸・頻繁な立ちくらみ・不整脈の疑いは運動より先に内科・循環器内科の受診を優先する(詳細は後述)
症状レベル別・まず優先すべきこと:
症状の状態まず優先すること
失神・意識を失いかけた経験がある内科・循環器内科を受診し、原因を確認する
動悸・息切れ・強い倦怠感が続く内科・循環器内科を受診し、不整脈・貧血の有無を確認する
立ちくらみが週に複数回以上ある受診を検討しつつ、急な起立を避けて様子を観察する
朝だるい・時々ふわっとする程度生活習慣・運動習慣を見直すことを検討する

重要な前提として、低血圧・立ちくらみは医療領域です。

「運動すれば必ず治る」とは言えず、背景に不整脈・自律神経疾患・貧血・内分泌疾患などが隠れている場合があります。

失神・強い動悸・頻繁な立ちくらみ・貧血や不整脈の疑いがある場合は、この記事の内容より先に内科・循環器内科を受診することを優先してください。

本記事は、「低血圧傾向で朝がだるい・立ちくらみが気になる」段階の一般的な情報提供を目的としています。

保戸塚 康裕
監修者 Re:Glow代表 保戸塚 康裕

NSCA認定パーソナルトレーナー(NSCA-CPT)。大手パーソナルジム勤務を経て独立し、Re:Glow パーソナルジムを設立。延べ3,000件以上のセッション実績を持ち、初心者から競技者まで幅広い層の指導を行う。本記事の監修は「安全な運動指導の観点」に基づくものであり、医療的診断・処方は含みません。

本記事は一般的な情報提供を目的としており、医療上の助言を意図するものではありません。低血圧・立ちくらみに関する医療的な判断は内科・循環器内科等の医師にご相談ください。

低血圧・立ちくらみとはどういう状態か

Re:Glow パーソナルジム

「低血圧」とは何か——本態性と起立性の違い

低血圧(血圧が低い状態)には、大きく2つのタイプがあります。

本態性低血圧(一次性低血圧)は、特定の疾患を伴わず体質的に血圧が低い状態です。

収縮期血圧(最高血圧)が100mmHg未満を目安とすることが多く、女性に多くみられる傾向があります。

それ自体が直ちに危険というわけではありませんが、朝のだるさ・疲れやすさ・集中力の低下などの生活への影響が出やすい状態です。

起立性低血圧(体位性低血圧)は、座った状態や横になった状態から急に立ち上がったときに血圧が一時的に大幅に低下する状態です。

起立後3分以内に収縮期血圧が20mmHg以上、または拡張期血圧が10mmHg以上低下するものを指します(日本循環器学会のガイドラインに基づく基準値)。

立ちくらみ・目の前が暗くなる・ふらつき・冷や汗などの症状として現れやすく、重症化すると失神に至る場合があります。

この記事で扱う「立ちくらみ」は、主にこの起立性低血圧に関連した症状です。

なぜ朝だるいのか——血液と重力の関係

立ちくらみや朝のだるさが起きやすい理由には、血液が重力に従って下半身に滞留しやすいことが関係しています。

横になっている状態から立ち上がると、重力の影響で血液が一気に下肢へと移動します。

健康な状態では、心臓・自律神経・下肢の筋肉が連携して素早く血圧を補正しますが、その補正が追いつかないと脳への血流が一時的に不足し、立ちくらみが生じます。

睡眠中は血圧・心拍数が低く抑えられているため、起床直後はこの補正反応がより働きにくい状態です。

そのため、朝に特に症状が出やすくなる傾向があります。

なぜ運動が低血圧・立ちくらみに関係するのか

Re:Glow パーソナルジム

筋肉が「第二の心臓」として機能する

心臓は全身に血液を送るポンプですが、下肢の筋肉もまた、収縮と弛緩を繰り返しながら血液を心臓へと押し戻す役割(筋ポンプ作用)を持っています。

特にふくらはぎは「第二の心臓」とも呼ばれ、静脈血を下から上へ押し上げる重要な役割を担っています。

下半身の筋力が低下していると、この筋ポンプ作用が弱まり、血液が脚に滞留しやすくなります。

結果として心臓へ戻る血流量が減り、血圧が維持しにくくなる傾向があります。

体幹(腹筋・背筋・骨盤周囲の筋肉)も、胸腔・腹腔内圧を保つことで血液の循環を間接的に助けています。

運動習慣によって下半身・体幹の筋力が高まることは、この血液循環のサポートにつながる可能性があります。

ただし「必ず改善する」という保証はなく、個人差があることを前提として理解してください。

運動自体が血圧に影響する場面

運動中・運動後にも血圧変動が生じる場面があります。

有酸素運動(ウォーキング・軽いジョギング等)中は心拍数・血圧ともに上昇しますが、終了後は一時的に血圧が下がる傾向(運動後低血圧)があります。

特に急に動作を止めたり、激しい運動後に突然横になったり立ち上がったりすると、血圧が急激に変動して立ちくらみが生じやすくなります。

レジスタンストレーニング(筋トレ)では、高強度での息こらえ(バルサルバ法の過度な使用)が一時的な血圧上昇を招くこともあり、逆に低血圧傾向の方が大きな重量で行うと動作後の急激な血圧低下を招くケースがあります。

次の一歩

低血圧・立ちくらみが気になっている方も、体の状態に合わせた運動プランを一緒に確認できます。料金・プランを確認してから、無料カウンセリング&無料体験でご相談ください。

低血圧・立ちくらみがある方に向けた運動の進め方

Re:Glow パーソナルジム

ステップ1|ウォームアップを丁寧に行う

急に激しい動作に入ることは、血圧変動のリスクを高めます。

特に低血圧傾向の方は、5〜10分程度かけて体温・心拍数を徐々に上げるウォームアップが重要です。

座ったまま足首を回す・ゆっくり膝の曲げ伸ばしをする・その場でゆっくり足踏みをするなど、負荷の低い動作から段階的に始めるのがおすすめです。

ステップ2|急に立ち上がらない——体位変換を「ゆっくり」行う

立ちくらみが最も起きやすい場面は「急に立ち上がるとき」です。

横になった状態→座る→足を下ろす→立つ、という段階を踏み、それぞれ数秒かけて体位を変えることで、血圧補正の時間を確保できます。

トレーニング中にマットから立ち上がるとき・レッグプレスのシートから降りるときなど、ジムでも同じ原則が適用されます。

ステップ3|下半身・体幹の筋力トレーニングを取り入れる

ふくらはぎの筋力(ヒラメ筋・腓腹筋)と大腿部・臀部の筋力を高めることが、筋ポンプ作用の強化につながる傾向があります。

始めやすい種目の目安として、以下が挙げられます(目安の回数・セット数は体調を見ながら調整してください)。

種目目安(初期)中止の目安
カーフレイズ(立ちかかと上げ)10回 × 2セットふらつき・息切れを感じたら即中止
ハーフスクワット(体重のみ)10回 × 2セット立ちくらみ・膝への痛みが出たら中止
ヒップヒンジ(体前傾→戻す)10回 × 2セット急な頭部への血流感・めまいで中止
プランク(呼吸を止めない)20〜30秒 × 1〜2セット強い圧迫感・息苦しさで即中止

重量・強度は低めから始め、症状が出た場合はすぐに中断して座るか横になることを優先します。

低血圧傾向のある方の運動種目・強度の目安:
種目カテゴリ対応方針注意点
下半身筋トレ(体重負荷)積極的に取り入れる急な体位変換を避ける
体幹トレーニング(プランク等)積極的に取り入れる呼吸を止めない
有酸素運動(軽度)ウォームアップ後に取り入れる急な停止を避ける
高重量・高強度筋トレ体調安定後に段階的に検討息こらえに注意
急激なHIIT・インターバル症状安定後に検討開始前に医師相談推奨

ステップ4|水分・塩分を適切に確保する

体内の水分・塩分が不足すると血液量が減り、低血圧症状が出やすくなります。

運動前・中・後の適切な水分補給は基本的な対策です。

塩分については、低血圧傾向の方が意識的に摂取することを推奨しているケースがありますが、高血圧・腎疾患・心疾患・むくみが出やすい方は塩分制限が必要な場合があります。

塩分摂取を変更する際は必ず主治医・かかりつけ医に確認してから行ってください。

スポーツドリンクなど電解質を含む飲料を活用することも一つの選択肢ですが、同様に医師への相談を優先します。

ステップ5|クールダウンを省略しない

運動後に急に動きを止めると、筋ポンプ作用がなくなり血液が下肢に滞留しやすくなります。

軽いウォーキングや足首の動かし方など、徐々に心拍数を落とすクールダウンを5〜10分行うことが安全確保に重要です。

次の一歩

「どの種目から始めたらいいか分からない」という方に向けて、体の状態に合わせたプログラムを組んでいます。無料カウンセリング&無料体験では、体調ヒアリング・運動強度の調整相談・どの運動から始めるかの確認が可能です。

Re:Glowの現場視点|低血圧・立ちくらみへのアプローチ

Re:Glow パーソナルジム

現場知見①|「下半身ポンプ」を意識したプログラム設計

Re:Glowでは、低血圧傾向を抱える方から「立ちくらみが気になる」という相談をいただくことがあります。

その際の初回カウンセリングでは、次の3点を最初に確認しています。

  • 症状の頻度・強さ(失神・動悸の有無、週何回程度の立ちくらみか)
  • 既往歴・内服薬の有無(降圧薬・利尿薬は血圧に影響するため)
  • 直近の生活習慣(睡眠・水分摂取・食事制限の有無)

これらを把握した上で、まず「今の体でどこまで動けるか」を体験セッションで確認します。

重視しているのが、「下半身の筋ポンプ機能を高めるためのプログラム構成」です。

具体的には、ふくらはぎ・大腿部・臀部を動かす複合動作を軸に置きながら、各セット間の休憩でも急に立ち上がらず座った状態でゆっくり体位変換するよう声かけを行っています。

トレーニング強度を上げるのは、体調の安定を確認してからというのが基本的な進め方です。

筋ポンプ作用の感覚をつかむため、カーフレイズ→ハーフスクワット→プランクという流れで「下から上へ血液を送る」ことを意識した順序で行うことを一つの指針にしています。

現場知見②|その日の体調に合わせてプログラムを調整する

完全個室という環境は、低血圧傾向の方にとって特にメリットが大きいと感じています。

体調が良くない日(朝のだるさが強い日・睡眠が浅かった日等)に、他の利用者の目を気にせず「今日は軽めにします」と率直に伝えられる環境だからです。

低血圧傾向の方は日々の体調変動が大きい場合があるため、「今日の体調に合わせて負荷を調整する」という柔軟な運営方針を取っています。

その日の負荷を下げる判断基準(Re:Glowの実際の声かけ):
  • 「昨夜の睡眠が5時間未満だった」→ ウォームアップを5分延長し、全体の重量を20〜30%落とす
  • 「起きてから立ちくらみが2回以上あった」→ 立位種目を座位・臥位種目に置き換える
  • 「今日は水分をあまり摂れていない」→ まず200〜300ml補水してからトレーニング開始

よくあるつまずきとして、「症状がない日に張り切りすぎて次の日だるくなる」というパターンがあります。

低血圧傾向の方は体調の波が大きい場合があるため、良い日にペースを上げすぎないことも継続の鍵です。

Re:Glowでは、こうした調整を継続することで「以前は週1回でも翌日だるかったが、数ヶ月後には週2回通えるようになった」というフィードバックをいただくことがあります(個人差があり、すべての方に同様の変化が起きるとは限りません)。

症状の有無に関係なく「同じ負荷で安定して通える」ことを最初の目標に設定し、強度は後から上げるというアプローチが結果的に長続きしやすい傾向があります。

三鷹台店・深大寺店のセッション環境

運動をすぐに中止して受診を検討すべきサイン:
  • 立ちくらみが5分以上続く、または何度も繰り返す
  • 胸の痛み・強い動悸・息切れが出てきた
  • 視野が暗くなる・意識が遠くなる感覚がある
  • 冷や汗・吐き気が強い
  • 手足のしびれや脱力感がある

上記いずれかに当てはまる場合は、その日のトレーニングを中止し、状態に応じて救急受診または翌日以降の内科・循環器内科への受診を検討してください。

次の一歩

三鷹台店・深大寺店の設備・料金を確認したい方は店舗情報ページをご覧ください。

よくある質問(FAQ)

Re:Glow パーソナルジム

Q1. 低血圧でもジムに通っていいですか?

低血圧傾向のみで、失神・強い動悸・頻繁な立ちくらみがない場合は、適切な配慮(ウォームアップ・体位変換のゆっくりした実施・急な動作の回避)を取りながら運動を行うことは可能と考えられています。

ただし「低血圧があるからジムに通って大丈夫」と一律に言えるものではなく、症状の程度・背景疾患の有無によって判断は異なります。

まずかかりつけ医または内科・循環器内科に相談し、運動の可否を確認した上で始めることを推奨します。

Q2. 立ちくらみが起きやすい時間帯はありますか?

朝(特に起床直後・食後しばらく)と、食事直後は血液が消化器官に集中するため、立ちくらみが起きやすい傾向があります。

食後1〜2時間の激しい運動は避けることが一般的に推奨されています。

夕方以降・食後2時間以上経過した時間帯にトレーニングを設定することが、症状を出にくくするうえでの参考になる場合があります。

Q3. 「立ちくらみ」がひどい場合はどうしたらいいですか?

週に複数回以上の立ちくらみ、一度でも失神・失神しそうになった経験、安静にしていても強い動悸・息切れ・疲労感がある場合は、内科または循環器内科を受診することを優先してください。

これらは背景に不整脈・貧血・自律神経障害などの医療的な原因がある可能性があり、自己判断での運動は症状を悪化させるリスクがあります。

Q4. トレーニング中に立ちくらみが出たらどうすればよいですか?

まずその場でゆっくりと座るか、安全な場所に横になることを優先します。

急に座ったり倒れ込んだりするとかえって怪我のリスクがあるため、「ゆっくり・壁やマシンに手をつきながら」が基本です。

座ったら足を心臓より少し高くする(仰向けで足を上げる等)と、脳への血流が戻りやすくなります。

症状が数分で回復する場合は、水分補給してから残りのセッションを軽い内容で続けるか中止するかをトレーナーと相談します。

症状が長引く・繰り返す場合は、その日のトレーニングを中止し、帰宅後も継続するようであれば翌日以降に受診を検討してください。

Q5. 「低血圧」と「貧血」は同じものですか?

低血圧と貧血は別の状態です。

低血圧は血液が血管を押す圧力(血圧)が低い状態、貧血は血液中の赤血球・ヘモグロビンが不足している状態です。

ただし、貧血が進むと全身への酸素供給量が減り、立ちくらみ・疲れやすさの症状が重複して現れることがあります。

「立ちくらみが続く」場合は、低血圧か貧血かを血液検査で確認することが、適切な対策を取るうえで重要です。

内科での血液検査(ヘモグロビン・血清フェリチン等)を受診の際に合わせて確認することをお勧めします。

まとめ

「低血圧でも運動してよいか」最終確認フロー:
確認項目はいいいえ
失神・意識消失の経験がある→ 内科・循環器内科を受診してから
週複数回以上の立ちくらみ・動悸・強い息切れ→ 受診後に医師の許可を得てから
「朝だるい・時々ふわっとする」程度→ 配慮しながら運動を始められる可能性あり
主治医から運動の許可を得ている→ 内容をトレーナーと共有して進める

低血圧傾向・立ちくらみへの運動アプローチをまとめます。

  • まず優先すること: 失神・強い動悸・頻繁な立ちくらみ・貧血や不整脈の疑いがある場合は内科・循環器内科の受診を先行する
  • 運動が有効に働くメカニズム: 下半身・体幹の筋力が血液を心臓へ戻す筋ポンプ作用を補う傾向がある
  • 運動の進め方の基本: ウォームアップを丁寧に・急に立たない・体位変換をゆっくり・クールダウンを省略しない
  • 効果的な種目の方向性: カーフレイズ・スクワット(浅め)・プランクなどの下半身・体幹トレーニング
  • 水分・塩分: 運動前後の水分補給と、必要に応じた電解質の補給

低血圧・立ちくらみは「体質だから仕方ない」で片付けてしまいがちですが、筋力や運動習慣との関係は十分に考慮する価値があります。

一方で、症状が強い場合や背景疾患が疑われる場合は、医療的な確認が先決です。

運動を始める際は、自分の体の状態を確認しながら、無理のないペースで進めることが長続きの鍵になります。

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