「糖質制限を始めたら体重は落ちてきたが、筋トレのパフォーマンスが落ちた気がする」——Re:Glowにご相談に来る方から、こうした声をよくお聞きします。
「ケトジェニックダイエットをやっているが、パーソナルジムと組み合わせていいのか迷っている」という方も少なくありません。
この記事の結論として、糖質制限とパーソナルジムの組み合わせは多くの方に有力な選択肢になり得ます。
ただし、糖質制限の「種類」と「強度」によって、ジムトレとの相性が大きく変わる傾向があります。
一律に「合う・合わない」と断定できないのが、この組み合わせの難しいところです。
この記事では、糖質制限という食事手法そのものを整理し、ロカボ・ケトジェニック・標準食との違い、パーソナルジムとの組み合わせ方、向き不向きを現場視点でお伝えします。
糖質制限には「3つのレベル」がある — ロカボ・緩やかな制限・ケトジェニックの違い
「糖質制限」という言葉は、実は幅広い食事手法をひとまとめにした表現です。
糖質をどれくらい減らすかによって、体への影響もジムトレとの相性も変わります。
ロカボ(ゆるやかな糖質制限)
ロカボは「低糖質(low-carb)」を意識しつつも、1食20〜40g程度の糖質を摂ることを目安にした食事スタイルです。
白米を完全に断つのではなく、茶碗半分程度に減らしたり、甘いお菓子・清涼飲料水を控えたりする程度から始められます。
日本では「ゆるい糖質制限」として広まっており、継続しやすいのが特徴の一つです。
糖質制限(中程度)
1日の糖質摂取量を50〜100g程度に抑えるのが、一般的に「糖質制限ダイエット」と呼ばれる食事スタイルです。
白米・パン・麺類をほぼ摂らず、肉・魚・野菜・豆腐を中心にした食事になります。
体重変化が比較的出やすい一方で、運動強度によってはパフォーマンスへの影響が出る場合があります。
ケトジェニックダイエット
ケトジェニック(ケトン体ダイエット)は、1日の糖質摂取量を20〜50g以下に抑え、脂質をエネルギーの主役にする方法です。
体が「糖質」ではなく「ケトン体(脂質由来のエネルギー)」を燃料として使うよう代謝が切り替わる状態(ケトーシス)を目指します。
効果が出やすい一方で、導入期の体調変化や、持続可能性の面で個人差が大きい食事法です。
標準食との比較
| 食事スタイル | 1日の糖質目安 | 主なエネルギー源 | 筋トレとの相性 |
|---|---|---|---|
| 標準食 | 250〜350g程度 | 糖質(グルコース) | 高強度トレに適しやすい |
| ロカボ | 70〜120g程度 | 糖質+脂質 | トレーニングとの両立がしやすい傾向 |
| 糖質制限(中程度) | 50〜100g程度 | 糖質+脂質 | 強度設計の調整が必要な場合あり |
| ケトジェニック | 20〜50g以下 | ケトン体(脂質) | 適応期間が必要・個人差大きい |
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、炭水化物(糖質を含む)は総エネルギーの50〜65%が目安とされています。
糖質制限はこれを大きく下回る食事設計であり、医学的な議論も続いている領域です。
日本糖尿病学会は2013年に「糖質制限食に関するステートメント」を発表しており、糖尿病患者への一律な適用には慎重な姿勢を示しています(注1・注2)。
糖質制限で「なぜ体重が落ちるのか」— メカニズムと注意点
糖質制限が体重変化に結びつきやすい理由には、いくつかのメカニズムが考えられています。
ただし「必ず痩せる」と断定することはできず、個人差が大きい点を最初にお伝えします。
グリコーゲン貯蔵量の減少と体重変化
糖質を摂ると、肝臓・筋肉にグリコーゲンとして蓄えられます。
グリコーゲン1gに対して3〜4g程度の水分が結びつく傾向があるため、糖質制限でグリコーゲンが減ると体内水分量も一時的に減ります。
そのため、糖質制限開始直後に体重が落ちやすいのは「脂肪が燃えた」のではなく「体内の水分が一時的に減った」ことが大きい場合があります。
インスリン分泌の抑制と脂肪代謝
糖質を摂ると血糖値が上昇し、インスリンが分泌されます。
インスリンは脂肪合成を促す働きがあるため、糖質を抑えることでインスリン分泌が減り、脂肪が使われやすくなる傾向があるとされています。
これが糖質制限で体脂肪が落ちやすくなる根拠の一つとして挙げられています(注3)。
ただし研究知見は継続中であり、諸説あります。
注意が必要なケース(医師への相談が前提)
糖質制限は全員に向いているわけではありません。
以下に該当する方は、必ず医師の指示のもとで取り組んでください。
- 糖尿病・糖代謝異常のある方: 血糖管理薬との相互作用があります
- 腎機能低下のある方: 高タンパク食になりやすく、腎臓への負担が懸念されます
- 妊娠中・授乳中の方: 胎児・乳児への影響について医師への確認が必要です
- 成長期の方: 発育に必要な栄養設計を崩す可能性があります
- 摂食障害の既往がある方: 食事制限が心理的なストレスになる場合があります
「健康な成人が適切な方法で行う糖質制限」と「特定の健康状態にある方が行う糖質制限」は別の話です。
Re:Glowでは、持病や健康上の懸念がある方には、必ず医師への相談をお勧めしています。
パーソナルジムのトレーニングと糖質制限の相性 — 何が問題になるのか
糖質制限中にパーソナルジムに通うとき、よく起きる問題が「トレーニング中の力が入らない」「疲れが抜けない」という状態です。
なぜそうなるのかを理解すると、対処法が見えてきます。
糖質はトレーニングの「即効エネルギー源」
筋力トレーニング(特に高強度の重量トレーニング)では、短時間に大きなパワーを出すことが求められます。
このとき、体が最も効率よく使えるエネルギー源が「グルコース(糖質由来)」です。
糖質制限でグリコーゲンが少ない状態だと、筋肉への即時エネルギー供給が落ちる傾向があります。
糖質制限レベル別のトレーニングへの影響
- ロカボ(1食20〜40g程度): 日常的なパーソナルトレーニングとの相性は比較的良好な傾向があります
- 糖質制限(中程度): セッション前後の糖質タイミングを工夫することで影響を抑えられる場合があります
- ケトジェニック(20〜50g以下): ケトン体に代謝が移行するまでの2〜6週間程度は、高強度トレーニングのパフォーマンスが落ちる傾向があります(適応後は個人差あり)
タンパク質摂取の重要性
糖質制限中は、筋肉の材料となるタンパク質が特に重要です。
糖質を大幅に減らしたにもかかわらずタンパク質が不足すると、筋肉量が落ちやすくなる傾向があります。
体重1kgあたり1.6〜2.0g程度のタンパク質摂取が、筋肉を維持しながら糖質制限を行う上での目安の一つとされています(個人差あり)。
(注4)
糖質制限とパーソナルジムを組み合わせる4ステップ
糖質制限中にパーソナルジムを効果的に活用するための、実践的な進め方を4ステップで整理します。
ステップ1: 糖質制限のレベルを現在の目標に合わせて決める
まず「ロカボ・中程度・ケトジェニック」のどのレベルで始めるかを、トレーニング目的と照らして決めます。
「体脂肪を落としながら週2〜3回パーソナルトレーニングを続けたい」という場合は、ロカボか中程度の糖質制限から始めるのが安全な出発点の一つです。
ケトジェニックを選択する場合は、最初の2〜6週間はトレーニング強度を落とす適応期間を設けることをお勧めしています。
ステップ2: トレーニング前後の糖質タイミングを設計する
糖質制限の日でも、トレーニングの1〜2時間前に少量の糖質(バナナ半本・おにぎり半個・ゼリー飲料1本程度)を補給することで、セッション中のエネルギー切れを防ぎやすくなります。
トレーニング後にはタンパク質と少量の糖質を摂ることで、筋肉の回復を助ける傾向があります。
「1日全体の糖質量は制限しながら、トレーニング周辺の時間帯だけ少し緩める」という設計が、Re:Glowでもよく相談される方法です。
ステップ3: タンパク質摂取量を意識的に増やす
糖質を減らした分だけ、タンパク質をしっかり確保することが重要です。
目安として体重1kgあたり1.6〜2.0gを意識しながら、肉・魚・卵・豆腐・プロテインを活用していきましょう。
食事記録アプリで1週間だけ記録をつけると、実際のタンパク質量が把握しやすくなります。
ステップ4: 2〜4週間ごとに体重・筋力・体調を確認して調整する
糖質制限とトレーニングの組み合わせは、2〜4週間単位で効果と体調を確認しながら調整していくことが大切です。
体重が順調に変化していても筋力が落ちている場合は、糖質制限レベルを少し緩めるサインの一つです。
パーソナルジムでは毎回のセッション前後に体重・体組成・パフォーマンスを確認できるため、調整の判断がしやすくなります。
糖質制限に「向いている人・向いていない人」の傾向
Re:Glowの現場で多くのクライアントと向き合ってきた経験から、糖質制限が比較的合いやすい方・合いにくい方にはある程度の傾向があります。
ただし個人差が非常に大きいため、これはあくまで参考の目安です。
向いている傾向がある方
- 炭水化物過多が気になる方: 食事記録をつけると、白米・パン・麺・菓子の合計が1日350gを超えているような方は、制限の余地がある傾向があります
- 体重の変化に動機を感じる方: 糖質制限初期に体重変化が出やすい傾向があるため、数値の変化がモチベーションになる方には「始めやすい」と感じる方が多いです
- 食欲コントロールが難しいと感じる方: 糖質を減らして脂質・タンパク質を増やすことで、食後の満腹感が持続しやすくなる傾向があります(個人差あり)
- ロカボ程度のゆるい制限から始める方: 完全に主食を断つ必要がないため、外食・家族との食事での継続がしやすい傾向があります
向いていない傾向がある方
- 高強度のアスリート系トレーニングが目的の方: 最大筋力や爆発力を求めるトレーニングでは、糖質エネルギーの役割が大きい傾向があります
- 食事制限がストレスになりやすい方: 制限が強いほど外食・飲み会・記念日の食事への影響が大きくなり、精神的な疲弊から反動食いにつながる場合があります
- すでに極端に食事量が少ない方: 糖質だけを減らすと栄養全体が偏るリスクがあります
- 上記の持病・健康状態に該当する方: 医師の管理なしには勧められません
Re:Glowでは体験セッション前の無料カウンセリングで、現在の食事スタイルとトレーニング目的を確認した上で、糖質制限との組み合わせが適切かどうかをご相談いただけます。
料金・コースの詳細と合わせて確認しておくと、体験の際にスムーズです。Re:Glowの現場視点 — 糖質制限中のクライアントに見える傾向と調整法
現場視点1: 「初回セッションで力が出ない」相談パターン
Re:Glowでよくあるのが、糖質制限を開始して2〜3週間目に「最近ジムで重い重量が上がらなくなった」「セッション後半でガス欠になる感じがする」という相談です。
30〜40代でデスクワーク中心の方が、自己流で中程度の糖質制限(1日50g以下)を始めた直後にセッションを入れるケースで起きやすい傾向があります。
この状態の多くは、筋力低下ではなくグリコーゲンの枯渇による一時的なエネルギー不足である傾向があります。
対応としては、トレーニング1〜2時間前にバナナ半本・おにぎり半個程度の少量の糖質を補給するか、トレーニングの強度を一時的に落として2〜3週間の適応期間を設けるかを個別に相談しています。
「糖質ゼロの日でも、トレーニング前だけ少し食べる」という方法に切り替えた後、2〜3週間で元のパフォーマンス水準に戻るケースが多いです。
現場視点2: 「ケトジェニックのまま筋肉をつけたい」はかなり難しい設計
「体脂肪を落としながら筋肉量を増やしたい(バルクアップ)」という目標と、「厳しいケトジェニックを維持したい」は、現場の感覚としてかなり難しい組み合わせです。
特に40〜50代で体脂肪率が高めの方がケトジェニックを続けながら筋肥大を目指すケースでよく見られますが、4〜8週間経過しても筋力の数値がほとんど伸びないまま体重だけが落ちるパターンになりやすい傾向があります。
ケトジェニック中は摂取カロリーが低くなりやすく、筋肉の材料となるタンパク質が十分に摂れていても、エネルギー不足下での筋肥大は効率が落ちる傾向があります。
Re:Glowでは、「まず体脂肪を落とすフェーズ(8〜12週) → その後に増量フェーズ」という段階設計を提案するケースが多く、両方を同時に達成しようとして疲弊するよりも結果が出やすい傾向があります。
三鷹台店・深大寺店での個別食事プラン調整
- アクセス:京王井の頭線 三鷹台駅 徒歩6分
- 住所:東京都三鷹市井の頭2-11-16 ARKHOUSE井の頭101(B1F)
- アクセス:京王線 調布駅から車で約10分/バスで約15分
- 住所:東京都調布市深大寺東町2-7-2 meedo03号室
よくあるご質問(FAQ)
Q. 糖質制限中でもプロテインは飲んでいいですか?
はい。プロテインの糖質量は製品によりますが、一般的なホエイプロテイン(無糖タイプ)は1杯あたり2〜5g程度と少なめです。
糖質制限中のタンパク質補給手段として、プロテインは活用しやすい選択肢の一つです。
甘みのある製品には糖質が多い場合もあるため、商品の栄養成分表示を確認する習慣をつけると安心です。
Q. ケトジェニックを始めて頭がぼーっとするのですが続けていいですか?
ケトジェニック導入初期(1〜2週間程度)に頭痛・倦怠感・集中力低下が起きる場合があります。
これは「ケトフル(Keto Flu)」と呼ばれ、体がケトン体代謝に切り替わる過程で起きる反応の一つです。
ただし、症状が強い・長引く・日常生活に支障が出る場合は、無理に続けず医師への相談をお勧めします。
パーソナルジムのトレーニングと並行する場合は、症状が落ち着くまでトレーニング強度を下げるのが安全な判断の一つです。
Q. ロカボとケトジェニックはどちらがおすすめですか?
「どちらが優れているか」という問いに対して、一概には答えられません。
ロカボは継続しやすく日常生活への影響が少ない一方、ケトジェニックは体脂肪へのアプローチが強めな傾向があります。
どちらが合うかは、現在の食事内容・トレーニング目的・生活スタイル・健康状態によって変わります。
Re:Glowでは初回カウンセリング時にこうした相談をよくお受けしていますので、迷っている方はお気軽にご相談ください。
Q. 糖質制限中に「停滞期」に入ったらどうすればいいですか?
糖質制限中の停滞期は、ダイエット全般に見られる生理的な反応の一つです。
体が新しい摂取カロリー・栄養バランスに慣れることで、基礎代謝が下がりやすくなるのが主な原因の一つとされています。
Re:Glowの現場では、停滞期に入ったときに「さらに糖質を減らす」よりも、「タンパク質量を増やしながら筋トレ強度を少し上げる」という調整の方が、停滞を抜けるきっかけになるケースが多い傾向があります。
筋肉量が増えると基礎代謝が上がりやすくなる傾向があり、これが停滞打破につながりやすい理由の一つです(注5)。
また、カロリー計算の見直しや、食事の「チートデイ(計画的に糖質を一時的に増やす日)」を設ける方法も選択肢の一つですが、個人差が大きいため一律にお勧めはしていません。
まとめ — 糖質制限とパーソナルジム、組み合わせで大切なこと
糖質制限とパーソナルジムの組み合わせで押さえておきたいポイントをまとめます。
- 糖質制限には「ロカボ・中程度・ケトジェニック」の3レベルがある — ジムトレとの相性は制限レベルによって変わります
- 持病がある方は医師の指示が前提 — 特に糖尿病・腎機能低下・妊娠中は必ず相談を
- ケトジェニック導入初期はトレーニング強度の調整が必要な傾向がある — 適応後は個人差あり
- タンパク質確保が筋肉量維持のカギ — 糖質を減らした分だけタンパク質は意識的に増やす
- 「食事制限ストレス」は長続きしない設計の原因になる — 継続できる制限レベルを選ぶことが重要
Re:Glowの完全個室パーソナルジムでは、糖質制限中のトレーニング強度調整・タンパク質量の設計・停滞期の対応まで、クライアントの状況に合わせた個別の相談に対応しています。
「糖質制限を続けながら体型を変えたい」という方は、ぜひ一度ご相談ください。
参考文献
- 注1: 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/eiyou/syokuji_kijyun.html
- 注2: 日本糖尿病学会「糖質制限食に関するステートメント」https://www.jds.or.jp/modules/important/index.php?content_id=1
- 注3: PubMed「Obesity and Insulin Resistance」PMID: 28399016 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28399016/
- 注4: PubMed「Dietary protein recommendations and the prevention of sarcopenia」PMID: 29466592 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29466592/
- 注5: PubMed「Skeletal muscle and the regulation of energy balance」PMID: 23651522 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23651522/
あなたの状況に合わせた次の一歩








