「女性のBIG3の平均ってどれくらい?」「私の重量って強いの?弱いの?」「男性向け情報ばかりで自分の指標が分からない」。BIG3に取り組む女性会員様から本当によくいただく相談です。
10年現場で見てきた立場でお伝えすると、BIG3の指標は『男性向け』が大半で、女性向けの体系的な情報が少ないのが現状です。男性の数値を「×0.6倍」して使う方が多いですが、この換算は実態と合わないことが多く、女性の身体特性に合わせた目標設定のほうが役立ちます。
私の会員様で、女性が「自分のBIG3が伸びているのか分からない」と悩むケースは想像以上に多くいます。客観指標があるだけで、モチベーションが大きく変わります。
BIG3全般の目標はBIG3の体重比目標値、男女兼用の平均はBIG3の平均重量と現実的な目標で整理しました。今回は「女性のBIG3」に焦点を絞って、現場目線でお話しします。
女性のBIG3 体重比目標値
まず数値の整理から。
女性の体重比目標(目安)| レベル | ベンチ | スクワット | デッドリフト |
|---|---|---|---|
| 初心者 | 0.4倍 | 0.75倍 | 1.0倍 |
| 中級者 | 0.6〜0.65倍 | 1.0〜1.1倍 | 1.25〜1.3倍 |
| 上級者 | 0.85倍 | 1.5倍 | 1.75倍 |
| アスリート級 | 1.0倍+ | 2.0倍+ | 2.25倍+ |
※競技団体の公式基準ではなく、Re:Glowが現場で女性会員様の指導に使っている目安です。
中級者ラインを幅で示しているのは、参照する基準によって数値が前後するためです(BIG3の体重比目標値では下限側の0.6/1.0/1.25倍を採用しています)。
体重別の中級者目標(kg)| 体重 | ベンチ | スクワット | デッドリフト |
|---|---|---|---|
| 45kg | 27〜29kg | 45〜50kg | 56〜59kg |
| 50kg | 30〜33kg | 50〜55kg | 63〜65kg |
| 55kg | 33〜36kg | 55〜61kg | 69〜72kg |
| 60kg | 36〜39kg | 60〜66kg | 75〜78kg |
| 65kg | 39〜42kg | 65〜72kg | 81〜85kg |
表にない体重の方は「自分の体重×倍数」で計算してみてください。
男性比0.6倍では実態に合わないことが多い男性の数値に0.6を掛けて使う方が多いですが、
- 上半身は男女差が大きい傾向(おおむね0.5〜0.6倍)
- 下半身は男女差が小さい傾向(おおむね0.7〜0.75倍)
- 種目によって男女比が変わる
「BIG3一律0.6倍」は、現場で見ている実態とはずれることが多い計算方法です。
女性の身体特性女性は男性と比較して、次のような傾向が見られます。
- 上半身の筋肉量が少なめ(ベンチプレスで差が出やすい)
- 下半身は差が小さい(スクワット・デッドリフトで健闘しやすい)
- 関節の柔軟性が高いことが多い
- 回復が早いと感じる方もいる
「下半身でこそ強くなりやすい」というのが、現場で感じる女性の傾向です。
ただし体格や競技歴による個人差は大きく、あくまで目安としてご覧ください。
デッドリフト 女性の平均は?体重別の平均・目標重量一覧
「デッドリフト40kgって、女性としては普通なんでしょうか?」というご質問を、女性会員様から本当によくいただきます。
BIG3の中でもデッドリフトは女性が伸ばしやすい傾向のある種目なので、この数字だけ先に体重別で整理しておきます。
女性のデッドリフト 体重別の目安(kg)| 体重 | 開始時の目安(体重比1.0倍) | 平均的なライン(同1.25〜1.3倍) | 上級者ライン(同1.75倍) |
|---|---|---|---|
| 40kg | 40kg | 50〜52kg | 70kg |
| 45kg | 45kg | 56〜59kg | 79kg |
| 50kg | 50kg | 63〜65kg | 88kg |
| 55kg | 55kg | 69〜72kg | 96kg |
| 60kg | 60kg | 75〜78kg | 105kg |
| 65kg | 65kg | 81〜85kg | 114kg |
| 70kg | 70kg | 88〜91kg | 123kg |
※上の体重比目標値をもとに算出した目安です。
トレーニング歴・骨格・体脂肪率によって前後する傾向があるため、自己評価の物差しとしてご覧ください。
「平均的なライン」の読み方ここでいう平均は、「週2回程度を半年〜1年ほど継続している女性が到達しやすい範囲」を指しています。
まったくの未経験からスタートした直後であれば、体重比1.0倍(=自分の体重と同じ重量)に届いていないことのほうが一般的です。
具体的な数字に当てはめると、次のような読み方になります。
- 体重50kgでデッドリフト40kg: 体重比0.8倍。開始から数ヶ月の段階としては自然な位置です
- 体重50kgでデッドリフト60kg: 体重比1.2倍。平均的なラインに乗ってきた段階です
- 体重60kgでデッドリフト60kg: 体重比1.0倍。ここから伸びが加速しやすい入口にあたります
前述のとおり、女性は下半身・背面で男性との差が小さい傾向があります。
そのためベンチプレスの数字が数ヶ月動かない時期でも、デッドリフトだけは月単位で伸びていく、という方が現場では多い印象です。
伸び悩みを感じている方は、まずデッドリフトから見直してみてください。
女性が「中級者レベル」に到達する期間
レベル別の到達期間を整理します。
初心者→中級者: 6ヶ月〜1年週2回の継続でこの期間。具体的には、
- フォーム習得に3ヶ月
- 漸進的に重量UP
- スクワット・デッドリフトは「速く」伸びる
- ベンチプレスは「ゆっくり」伸びる
「下半身が先に伸びる」のは女性の自然な順番です。
中級者→上級者: 1〜2年ここからは個人差大きく、
- 週3回以上の本格取り組み
- 補助種目を増やす
- 食事の精度UP(タンパク質体重×1.5g以上)
- 月単位での進歩
「年単位の長期視点」が必要です。詳しくは筋肉が育つ5つの停滞原因もご参照ください。
「中級者で十分」が現実的な目標女性会員様には、
- 中級者レベルは、日常生活で不自由を感じにくい筋力の目安になる
- 姿勢や体の使い方を整えるうえでも、ひとつの区切りになりやすい
- そこから上は「趣味」「競技」の領域
- 無理して上級者を目指す必要はない
健康・ボディメイクの観点では、「中級者ライン」がひとつの現実的な目標になります。
生理周期との付き合い方女性特有の配慮として、次のような声を現場でよくうかがいます。
- 排卵期前後: 力が出やすいと感じる方が多い
- 黄体期: 力が出にくいと感じる方が多い
- 生理中: 体調に合わせて軽めに切り替える
- 月の中の波を前提にメニューを考える
感じ方には個人差が大きいため、「いつも全力」より「自分の波を記録して活かす」ほうが現実的です。
体調に不安がある場合は、無理をせず医療機関にご相談ください。
女性がBIG3で「無理なく伸ばす」3つのコツ
実践的なコツを整理します。
コツ1: 「下半身先行」を活かす女性は下半身が伸びやすいので、
- スクワット・デッドリフトを優先
- 「ヒップアップ」「脚やせ」とセット
- モチベが続きやすい結果
- ベンチプレスはじっくり
「先に伸びる種目」から取り組む方が、達成感が積み重なります。
コツ2: フォーム習得を急がない女性会員様で陥りがちな罠:
- 早く重量を上げたい
- でも筋力がついていない
- フォームを崩しても挑戦
- 怪我リスクUP
「フォーム3ヶ月、重量1年」のスタンスのほうが、結果も持続性も上です。詳しくはフォームか重量かもご参照ください。
コツ3: タンパク質を最優先女性は、
- 食欲が男性より少なめ
- タンパク質量が不足しがち
- 筋肉が育ちにくい状態
体重×1.5g以上を意識的に取る。例えば体重55kgなら、毎日83gのタンパク質。鶏むね肉なら1日約250g相当です。
なお、これは健康な方を想定した一般的な目安です。腎機能に不安がある方や持病・妊娠中の方は、量を増やす前に必ず医師にご相談ください。詳しくは筋肥大の食事タイミングもご参照ください。
「軽い重量×多回数」より「重い重量×低回数」女性が誤解しがちなのが、
- 「軽い重量×30回」で十分?
- → 筋肥大を狙うには刺激が足りないことが多い
- 「重め重量×8〜12回」が一般的な目安
- 「重い重量=すぐムキムキ」は誤解であることが多い
女性の場合、ベンチプレス40kg程度を扱えるようになったからといって、いわゆる「ムキムキな体型」になるケースは現場ではほとんど見ません。
体型の変化には食事量やホルモン環境も関わるため個人差はありますが、重量に挑戦すること自体を過度に怖がる必要はない、というのが現場の実感です。
現場視点: 女性会員様のBIG3成長の話
10年現場で見てきて、女性会員様のBIG3成長の話をします。
ケースA: 30代女性、1年で中級者レベル到達- 体重55kg
- スタート: ベンチ15kg、スクワット30kg、デッドリフト40kg
- 1年後: ベンチ35kg、スクワット65kg、デッドリフト75kg
- 体重比: ベンチ0.64倍、スクワット1.18倍、デッドリフト1.36倍
- 「下半身がガンガン伸びるのが楽しい」
- 体重60kg
- スタート: 重量経験なし
- 6ヶ月後: ベンチ30kg、スクワット55kg、デッドリフト70kg
- 「自分の身体が変わる感覚が新鮮」
- 体重58kg
- 入会2年で中級者レベル到達済
- 上級者を目指し3年目
- ベンチ40kg、スクワット80kg、デッドリフト95kg
- 「年齢関係なく伸びる実感」
- 下半身を優先して伸ばす
- フォームに3ヶ月費やす勇気
- タンパク質をしっかり摂る
- 生理周期に合わせて調整
- 「他の女性と比べる」より「過去の自分と比べる」
3人に共通しているのは、SNSで見かける「BIG3がすごい人」ではなく、自分の体重比と過去の自分だけを指標にしていた点です。
Re:Glowでも女性会員様には、個別の体重比目標を設定したうえで、生理周期に合わせたメニュー調整とフォーム最優先の指導を行っています。
ヒップアップ目的でスクワット・デッドリフトに取り組む方はお尻が垂れる原因と改善トレーニングもご参照ください。
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よくある質問(FAQ)
Q1. 女性のデッドリフトは何kgから始めるのが安全ですか?シャフトのみ(20kg前後)か、10〜20kgのダンベルでのルーマニアンデッドリフトから始める方が多いです。
重量より先に、股関節を折るヒップヒンジの動作を身につけるほうが、結果的に伸びが早くなる傾向があります。
腰に違和感が出る場合は自己判断で続けず、いったん中止して医療機関にご相談ください。
Q2. デッドリフト40kgは女性として弱いのでしょうか?体重50kgの方なら体重比0.8倍にあたり、トレーニングを始めて数ヶ月の段階としては自然な位置です。
BIG3は他人ではなく「自分の体重比」と「過去の自分」で見るほうが、伸びを実感しやすくなります。
Q3. ベンチプレスだけ伸びません。何か問題がありますか?女性は上半身の男女差が大きい傾向があるため、ベンチプレスの伸びがゆっくりになるのはよくあることです。
スクワットやデッドリフトが伸びているなら、トレーニングの方向性としては大きな問題ではないことがほとんどです。
気になる場合は、補助種目(ダンベルプレス・プッシュアップ)でボリュームを足す方法もあります。
Q4. 生理中はトレーニングを休むべきですか?一律に休む必要はなく、体調に合わせて重量と量を落として続ける方が多い印象です。
ただし体調の感じ方は個人差が大きいため、痛みや強い不調がある日は無理をせず、必要に応じて医療機関にご相談ください。
まとめ
女性のBIG3の中級者目安は、ベンチ体重×0.6〜0.65倍、スクワット×1.0〜1.1倍、デッドリフト×1.25〜1.3倍です。
「男性数値×0.6倍」の一律換算は実態とずれやすく、上半身は0.5〜0.6倍、下半身は0.7〜0.75倍あたりが現場での感覚に近くなります。
体重50kgなら中級者でベンチ30〜33kg・スクワット50〜55kg・デッドリフト63〜65kg、体重60kgならベンチ36〜39kg・スクワット60〜66kg・デッドリフト75〜78kgが目安です。
到達期間は初心者から中級者まで6ヶ月〜1年、中級者から上級者まで1〜2年が目安で、日常生活の観点では中級者ラインまでで十分です。
無理なく伸ばすコツ:
- 下半身先行を活かす(スクワット・デッドリフトを優先)
- フォーム3ヶ月、重量1年のスタンス
- タンパク質を最優先(体重×1.5g以上)
BIG3は数値で進歩が見える稀有な指標です。
ぜひ自分の体重比を計算して、目標を立ててみてください。
あなたの状況に合わせた次の一歩











