「BIG3って体重の何倍挙げられれば一人前?」「同じ年代の平均ってどれくらい?」「自分の重量は普通?低い?」。会員様や知り合いから本当によくいただくご質問です。
10年現場で見てきた立場でお伝えすると、BIG3の目標重量は『他人の平均』ではなく『自分の体重に対する比率』で考えるのが本質的に正しいアプローチです。SNSや動画で見るマッチョの方々の重量を真似する必要はなく、自分の体重・経験・性別に応じた現実的な目標があります。
BIG3の順番の組み方はBIG3の順番ガイドで整理しました。今回はその「現実的な目標重量」編として、男女別・経験別の到達目安を、現場目線で正直にお話しします。
私自身も20代の頃、「平均より低い」と落ち込んでいた時期があります。後から振り返ると「比較対象を間違っていた」だけで、自分のペースで伸ばせば良かったと反省した経験があります。
BIG3の目標は「体重比」で考える
「絶対値の重量」より「自分の体重に対する比率」が、現実的な目標設定の物差しです。
初心者から中級者への一般的な目標(男性)体重70kgの男性を基準にすると、
- スクワット: 体重1倍(70kg) → 1.5倍(105kg) → 2倍(140kg)
- ベンチプレス: 体重0.7倍(50kg) → 1倍(70kg) → 1.5倍(105kg)
- デッドリフト: 体重1.5倍(105kg) → 2倍(140kg) → 2.5倍(175kg)
体重55kgの女性を基準にすると、
- スクワット: 体重0.5倍(27kg) → 0.75倍(40kg) → 1倍(55kg)
- ベンチプレス: 体重0.4倍(22kg) → 0.6倍(33kg) → 0.8倍(44kg)
- デッドリフト: 体重0.75倍(40kg) → 1倍(55kg) → 1.5倍(82kg)
これは「最初の到達目標→中級者目標→上級者目標」の3段階です。
経験別の到達期間目安- 初心者目標: 半年〜1年で到達
- 中級者目標: 2〜3年で到達
- 上級者目標: 5年以上必要
「半年で上級者重量」は目指せませんし、目指してはいけません。怪我リスクが急上昇します。
年齢別の現実的な目標
「20代と50代で同じ目標」は無理があります。年齢別の現実感を整理します。
20〜30代- 神経系・回復力が高い
- 半年で初心者目標、2〜3年で中級者目標が現実的
- ガッツリ追い込める時期
- 回復に時間がかかる
- 関節の柔軟性低下
- 初心者目標を1年、中級者目標を3〜4年で
- フォーム重視の傾向
- 漸進的なペースが最重要
- 重量より「続ける」が優先
- 体重比0.5〜0.7倍を目標に
- 怪我せず10年続けることが価値
「年齢に応じた目標」を持つことで、無理せず長く続けられます。
「他人と比較しない」のが本当に大事会員様で多いのが、
- SNSの上級者と比較して落ち込む
- ジムで一番強い人を見て焦る
- 同年代の平均が気になる
これらは全部、自分のトレーニングには関係ありません。「先月の自分」と比較するのが正解です。フォーム vs 重量の優先順位はフォームか重量かもご参照ください。
漸進的に伸ばすための実践方針
具体的にどう伸ばすか、現場で実践している方法をまとめます。
方針1: 「毎週少しずつ」が原則- 毎週2.5kg(無理なら0.5kg)増やせるかチャレンジ
- それも難しければ「同じ重量で1回多く」
- 月単位で2〜5kgの進歩が目安
「3ヶ月で20kgUP」を狙うと無理が出ます。
方針2: 「停滞は仕様」と理解する- 上達するほど停滞が長くなる
- 半年〜1年同じ重量も普通
- フォーム改善・補助種目で打開
- 焦らず継続
「停滞=失敗」ではなく「成長の階段の踊り場」と理解することが大事です。
方針3: 補助種目を活用メインのBIG3だけでは弱点が露呈するので、
- ベンチプレスの伸び悩み → 三頭筋・肩の補助種目
- スクワットの伸び悩み → レッグプレス・ランジ
- デッドリフトの伸び悩み → ロウ系・ヒップスラスト
「補助種目で弱点を補強」が、中級者以降の進歩の鍵です。ベンチ重量の伸ばし方はベンチプレス重量の伸ばし方、デッドリフトの本質はデッドリフトはなぜ種目の王様かもご参照ください。
方針4: 食事と休息を充実させる- タンパク質を体重×1.6g以上
- 7時間以上の睡眠
- 休養日を週2〜3日
- ストレス管理
これらが揃わないと、いくらトレ頻度を増やしても重量は伸びません。
現場視点: 重量より大事な「3つのこと」
10年現場で見てきて、長く伸び続ける方には共通点があります。
共通点1: フォームを軽視しない- 重量より「正しいフォームでの最大重量」を追う
- 無理して挙げる重量は記録に入れない
- 1〜2セット軽めで完璧なフォームを作る習慣
短期間で重量を追っても、フォーム不良で怪我すれば数ヶ月の停滞。長期視点ではフォームが最優先です。
共通点2: 「今日の重量」より「3ヶ月後の重量」を見る- 1回の挙上重量に一喜一憂しない
- 3ヶ月単位の進歩を確認
- 写真・記録で振り返り
- 「先月より進歩した」を喜ぶ
短期視点だと挫折しやすく、長期視点だと続きやすい、というのが現場の実感です。
共通点3: 「停滞期を楽しむ」マインド- 停滞期にフォーム改善
- 補助種目で弱点克服
- 食事・休息を見直す機会
- 「停滞は次の成長の準備期間」
これができる方ほど、5年・10年と伸び続けています。
Re:Glowでの目標設定サポート会員様には、
- 初回カウンセリングで現状の重量・経験を把握
- 体重・性別・年齢に応じた現実的な目標設定
- 毎セッションの記録と月単位の振り返り
- 「他人との比較」より「自分の進歩」を強調
このアプローチで、長期で伸び続ける方が増えています。コンパウンド種目の重要性はコンパウンド種目で筋肥大を効率化もご参照ください。
まとめ
BIG3の目標重量は、絶対値ではなく「自分の体重に対する比率」で考えるのが現実的です。
男性目標(70kg基準):- スクワット: 70→105→140kg
- ベンチプレス: 50→70→105kg
- デッドリフト: 105→140→175kg
- スクワット: 27→40→55kg
- ベンチプレス: 22→33→44kg
- デッドリフト: 40→55→82kg
これらは「初心者→中級者→上級者」の3段階で、それぞれ半年〜1年、2〜3年、5年以上のスパンで到達するのが現実的です。
「他人と比較せず、先月の自分と比較する」「停滞を楽しむ」「フォームを軽視しない」、この3つを意識すれば、長期で伸び続けられます。BIG3の数字は「自己ベスト更新」を楽しむための指標として、上手に活用してみてください。











