コンパウンド種目とは?代表5種目・部位別一覧表とアイソレーションとの違い
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コンパウンド種目とは?代表5種目・部位別一覧表とアイソレーションとの違い

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コンパウンド種目(複合関節種目)とは、2つ以上の関節を同時に動かし、複数の筋肉グループをまとめて使うトレーニング種目のことです。

反対に、1つの関節だけを動かす種目はアイソレーション種目(単関節種目)と呼ばれ、アームカールやサイドレイズなどが該当します。

代表的なコンパウンド種目は、次の5つです。

代表種目同時に動く関節主に鍛えられる部位
スクワット股関節・膝・足首脚全体・殿筋・体幹
デッドリフト股関節・膝背中・殿筋・ハムストリングス
ベンチプレス肩・肘胸・肩前部・上腕三頭筋
懸垂(またはラットプルダウン)肩・肘広背筋・上腕二頭筋
オーバーヘッドプレス肩・肘肩・体幹

この5種目を軸に組むだけで、全身の主要な筋群はおおむねカバーできます。

10年以上パーソナルジムの現場で体づくりを見てきて感じるのは、「コンパウンド種目という言葉は知っているけれど、結局どれをやればいいのか分からない」という方がとても多いということです。

この記事では定義と3つの特徴、部位別×器具別の一覧表、アイソレーション種目との違い、基本5種目のつまずき、週2〜3回の組み方までを順番に整理します。

「一覧だけ見たい」という方は、「コンパウンド種目一覧」の表だけでも十分に使えるようにまとめました。

コンパウンド種目とは — 定義と3つの特徴

改めて整理します。

コンパウンド種目とは、股関節と膝、肩と肘のように、2つ以上の関節が連動して動く種目を指します。

日本語では「複合関節種目」「多関節種目」と表記されることもありますが、意味は同じです。

たとえばスクワットでは、股関節・膝関節・足関節の3つが同時に動きます。

ベンチプレスなら肩関節と肘関節が連動します。

一方でレッグエクステンションは膝関節だけ、アームカールは肘関節だけしか動きません。

この「関節がいくつ動くか」が、コンパウンドとアイソレーションを分ける唯一の基準です。

このシンプルな違いから、コンパウンド種目には次の3つの特徴が生まれます。

1つ目は、一度に動員される筋肉の量が多いこと。

スクワット1回の動作で、大腿四頭筋・ハムストリングス・殿筋群・脊柱起立筋・体幹部が同時に働きます。

1種目で複数の部位に刺激が入るため、種目数を増やさなくても全身をカバーしやすくなります。

2つ目は、比較的高い重量を扱いやすいこと。

複数の筋肉が協力して力を出すため、単関節種目より大きな負荷に耐えられます。

筋肥大には筋線維にかかる機械的な張力が関わるとされており、扱える重量の幅が広いことは、トレーニングの選択肢を増やしてくれます。

3つ目は、時間あたりの効率が良いこと。

限られた時間で全身を刺激したい社会人の方にとって、これが実務的にはいちばん大きな利点だと感じています。

週に何時間もジムに通えなくても、コンパウンド種目を軸に組めば1回60分前後でひととおり形になります。

なお、大きな筋群を使う種目ではトレーニング直後のホルモン反応が高まる傾向があるという報告もありますが、それが筋肥大の大きさを直接決めるかどうかは見解が分かれています。

ホルモンを期待して種目を選ぶというより、「動員量が多く、重量を伸ばしやすく、時間効率が良い」という3点で捉えていただくのが実際的です。

保戸塚 康裕
執筆 Re:Glow代表 保戸塚 康裕

NSCA認定パーソナルトレーナー(NSCA-CPT)。大手パーソナルジム勤務を経て独立し、Re:Glow パーソナルジムを設立。延べ3,000件以上のセッション実績を持ち、初心者から競技者まで幅広い層の指導を行う。

本記事は一般的な情報提供を目的としており、医療上の助言を意図するものではありません。

コンパウンド種目一覧 — 部位別×器具別(バーベル・ダンベル・マシン・自重)

ここからが実用パートです。

「コンパウンド種目にはどんなものがあるのか」を、鍛える部位と使う器具の両方から一覧にしました。

ご自身が使えるジムの設備に合わせて、横の行から選んでいただければ大きく外れません。

部位バーベルダンベルマシン自重
脚(下半身全体)バーベルスクワット/フロントスクワットゴブレットスクワット/ダンベルランジレッグプレス/ハックスクワット自重スクワット/ブルガリアンスクワット
背中(引く動作)ベントオーバーロウ/ペンドレイロウワンハンドロウ/ダンベルロウラットプルダウン/シーテッドロウ懸垂/斜め懸垂(インバーテッドロウ)
胸(押す動作)ベンチプレス/インクラインベンチプレスダンベルベンチプレス/ダンベルインクラインプレスチェストプレス/スミスマシンベンチプレス腕立て伏せ/ディップス
肩(頭上へ押す)オーバーヘッドプレス(ミリタリープレス)ダンベルショルダープレス/アーノルドプレスショルダープレスマシン/スミスマシンプレスパイクプッシュアップ
全身後面(背面の連動)デッドリフト/ルーマニアンデッドリフトダンベルデッドリフト/ダンベルヒップヒンジヒップスラストマシン/ケーブルプルスルーヒップリフト/バックエクステンション

表の見方として、押さえておくと役立つポイントを3つ補足します。

縦(器具)で選ぶときは、扱いやすさと自由度がトレードオフになります。

マシンは軌道が決まっているぶん安全に追い込みやすく、フリーウェイト(バーベル・ダンベル)は軌道が自由なぶん体幹や細かい安定筋も動員されます。

どちらが優れているという話ではなく、目的と経験値で選ぶものです。

この使い分けはフリーウェイトとマシン、どちらが効く? — 目的別の使い分けと初心者→中級の現実的なロードマップで詳しくまとめています。

横(部位)で選ぶときは、「押す・引く・下半身」の3方向が揃っているかを見てください。

胸と肩は押す動作、背中は引く動作、脚は下半身です。

この3方向から最低1種目ずつ入っていれば、全身のバランスは大きく崩れにくくなります。

自重の列は、器具がない日の代替として使えます。

出張や旅行で数日ジムに行けないときも、自重スクワットと腕立て伏せ、斜め懸垂を回しておけば、動作の感覚は保ちやすくなります。

コンパウンド種目とアイソレーション種目の違い — 比較表と使い分けの3原則

「コンパウンド種目とアイソレーション種目は何が違うのか」は、定義の次に多いご質問です。

違いは「動く関節が2つ以上か、1つだけか」の一点ですが、そこから扱える重量・時間効率・役割まで変わってきます。

両者を並べて整理したのが次の表です。

比較項目コンパウンド種目アイソレーション種目
動く関節2つ以上1つ
代表種目スクワット/デッドリフト/ベンチプレス/懸垂レッグエクステンション/アームカール/サイドレイズ
動員される筋肉複数の筋群が同時に働く狙った1つの筋肉に絞られる
扱える重量比較的高い比較的低い
時間効率高い(1種目で広範囲)低い(部位ごとに種目が必要)
技術的な難易度やや高い(フォーム習得が必要)低い(動作がシンプル)
主な役割全身の土台づくり弱点の補強・仕上げ

違いは分かっても、実際にどう組み合わせるかが本題です。

私が現場でお伝えしている使い分けの原則は、次の3つです。

原則1:コンパウンドを軸に置き、アイソレーションは補助に回す。

限られた時間の中で優先順位をつけるなら、まずコンパウンド種目です。

時間が余ったら、あるいは特定の部位を伸ばしたいときにアイソレーションを足す、という順番が現実的です。

原則2:順番はコンパウンドが先、アイソレーションが後。

体力が残っている状態のほうが、高重量を安全に扱いやすくなります。

先にアームカールで腕を追い込んでしまうと、そのあとの懸垂やロウで背中より先に腕が限界を迎えてしまう、ということが起こります。

原則3:コンパウンドで刺激しにくい部位だけ、アイソレーションで狙う。

三角筋の中部(肩の横)、ハムストリングスの膝関節側、腹筋群などは、コンパウンド種目だけではやや刺激が入りにくい部位です。

サイドレイズやレッグカールは、こうした「取りこぼし」を埋める役割として非常に有効です。

なお「コンパウンド種目だけで全身を完結させられるのか」という論点は、それ自体で1本分の内容があります。

BIG3+αで組む具体的な5パターンや、どこに限界が出るかについてはコンパウンド種目だけで全身鍛えられる?BIG3+αで完結する5パターン設計と限界にまとめましたので、そちらをご覧ください。

まず押さえたい基本5種目

一覧を見て「種目が多すぎて選べない」と感じた方へ。

まずはこの5種目から始めれば、全身の主要な筋群をおおむねカバーできます。

それぞれに「現場でよく見るつまずき」を1つずつ添えました。

1. スクワット(下半身全体・体幹)

下半身には大きな筋群が集中しており、膝・股関節・足首が連動するため、1種目で得られる刺激の範囲が広いのが特徴です。

つまずき:しゃがむ深さばかりを追いかけて、腰が丸まる(バットウィンク)まで落としてしまう方が多いです。深さの考え方はスクワットの深さは、人間味の深さなのか — 10年追い込んできた私が思うこともどうぞ。

2. デッドリフト(背面全体・握力)

背中・殿筋・ハムストリングスを一度に使う背面の代表種目で、床から物を持ち上げるという生活の中でも頻出する動作そのものです。

つまずき:脚で押す意識が抜けて、腰の力だけで引き上げてしまうケースが目立ちます。

3. ベンチプレス(胸・肩・上腕三頭筋)

上半身前面の王道種目で、重量の伸びが数字で見えるためモチベーションを保ちやすい種目でもあります。

つまずき:肩甲骨を寄せて下げる準備をしないままバーを下ろし、肩の前側に負担が集中してしまうパターンです。

4. オーバーヘッドプレス(肩・体幹)

頭上へ押し上げる動作で、肩の丸みと体幹の安定性を同時に育てられます。

つまずき:腰を大きく反らせて、肩ではなく腰でバーを持ち上げてしまうことがよくあります。

5. ラットプルダウン or 懸垂(背中・上腕二頭筋)

背中の広がりを作る引く動作で、懸垂が難しい段階はラットプルダウンから入り、回数が伸びてきたら懸垂へ移行するのが現実的な順路です。

つまずき:腕で引いてしまい、背中が使えていない状態のまま重量だけが上がっていく、というケースが最も多いです。

この5種目が回せるようになってから種目を増やしても、遅すぎるということはありません。

むしろ、早い段階で種目数を増やしすぎると、1種目ごとの精度が上がりにくくなる傾向があります。

週2〜3回の組み方 — 頻度・重量・時間の目安

「5種目を毎日やるのですか」と聞かれることがありますが、その必要はありません。

初心者の方は週2回から始め、慣れてきたら週3回に増やすという段階の踏み方で十分に形になります。 週2回プラン(時間が取りにくい方向け)
  • Day 1:スクワット + ベンチプレス + ロウ
  • Day 2:デッドリフト + オーバーヘッドプレス + ラットプルダウン
週3回プラン(標準)
  • Day 1(例:月):スクワット + ベンチプレス + ロウ
  • Day 2(例:水):デッドリフト + オーバーヘッドプレス + ラットプルダウン
  • Day 3(例:金):スクワット(軽め) + ベンチプレス(軽め) + 懸垂

いずれの場合も、トレーニング日の間には休養日を挟みます。

重量・回数・時間の目安
  • 8〜12回×3セット、種目間の休憩は2〜3分(トレーニング指導で広く使われる一般的な目安で、Re:Glowの現場でもこれを基準に一人ひとり調整しています)
  • 最後の1〜2回がきつく感じる重量から始め、毎週少しずつ重量か回数を伸ばす(漸進性過負荷の考え方)
  • 1回のセッションは60〜90分が目安。時間が取れない日は種目を3つに絞り、コンパウンドだけで完結させても構いません

回復の考え方についてはパーソナルジムで筋肉痛は必要?効果との関係とセッション後24時間の過ごし方もあわせてご覧ください。

次の一歩

「スクワットやデッドリフトのフォームが不安」「一人でバーベルを扱うのが怖い」という方は、無料カウンセリング&無料体験(約60分・無料)でフォームチェックを受けてみてください。器具や経験に合わせて、どのコンパウンド種目から始めるのが現実的かを一緒に整理します。

Re:Glowの現場視点 — 実際に起きた2つの変化

延べ3,000件以上のセッション実績の中から、コンパウンド種目の位置づけが変わったことで流れが変わった例を2つご紹介します。

どちらも個人が特定されない形にしていますが、内容は現場で実際によく起こるパターンです。

ケース1:マシン中心で約1年停滞していた40代男性

入会時、その方はすでにトレーニング歴が1年ほどありました。

ただ、メニューはチェストプレス、レッグエクステンション、アームカールといったマシンとアイソレーション中心。

「同じ重量から半年以上動いていない」というのがご相談内容でした。

そこで、まずスクワットとベンチプレス、ロウの3種目を軸に据え、アイソレーションはセッションの後半に2種目だけ残す構成へ組み替えました。

セッションは週1〜2回のペースで、最初の1か月はフォームづくりに使い、重量はほとんど上げていません。

当店の体組成計で測った参考値として、約3か月時点で骨格筋量が約0.5〜1.0kg増、体脂肪率は約1〜2ポイント減という、控えめではあるものの停滞期にはなかった動きが出ていました(体組成計の数値は測定条件による誤差が出るため、あくまで参考としてご覧ください)。

扱える重量も、約4か月でスクワットがおよそ1.4〜1.5倍になっています。

興味深かったのは、種目数は以前より減っていたという点です。

やることを増やしたのではなく、優先順位を入れ替えただけで動き出した、という例でした。

ただし停滞の原因は睡眠や食事が要因のこともあり、変化の出方には個人差があります。

ケース2:デッドリフトを避けていた50代女性

「バーベルは腰を痛めそうで怖い」というお気持ちから、フリーウェイト全般を敬遠されていた方です。

無理に始めることはせず、まずダンベルを胸の前で抱えるゴブレットスクワットから入りました。

重さは8kg前後のダンベル1つから、しゃがむ深さも椅子に座る程度からのスタートです。

そこから約2か月かけて16kg前後まで無理なく扱えるようになり、並行してヒップヒンジ(股関節を折る動作)を別メニューで練習しました。

開始からおよそ半年が経った頃に、20kg前後の軽いバーでルーマニアンデッドリフトへ進んでいます。

現在は本人の判断でバーベルも扱えるようになっていますが、いちばんの変化は「怖くなくなったこと」だと話されていました。

どのくらいの期間で次の段階に進めるかには個人差があります。

コンパウンド種目は難しそうに見えますが、器具と可動域を選べば入口はいくらでも作れます。

よくある質問(FAQ)

Q1. コンパウンド種目だけで筋肥大できますか?

主要な筋群であれば、コンパウンド種目だけでも十分に刺激は入ります。

ただし三角筋の中部やハムストリングスの一部など、取りこぼしが出やすい部位は残ります。

足りる人・足りない人の見分け方と、BIG3+αで組む5パターンの具体的な設計はコンパウンド種目だけで全身鍛えられる?BIG3+αで完結する5パターン設計と限界で詳しく解説しています。

Q2. 毎日やってもいいですか?

同じ部位を連日追い込むことは、一般的にはおすすめしにくい方法です。

同じ部位のトレーニング間隔は48〜72時間程度あけるのが、トレーニング指導の現場で広く使われている一般的な目安です(Re:Glowでもこれを基準に、体力や生活の負荷を見ながら一人ひとり調整しています)。

コンパウンド種目は複数の部位を同時に使うぶん、全身の疲労も残りやすくなります。

毎日体を動かしたい場合は、日によって使う部位を変える、あるいは軽い有酸素やストレッチの日を挟むという組み方が現実的です。

回復にかかる時間には個人差があり、睡眠時間や年齢、仕事の負荷によっても変わります。

Q3. どの順番でやるべきですか?

基本はコンパウンド種目が先、アイソレーション種目が後です。

体が疲れていない状態のほうが、高重量を扱う種目を安全に行いやすいためです。

コンパウンド種目同士の順番については、その日にいちばん伸ばしたい種目を最初に置くのが一つの考え方になります。

スクワット・ベンチプレス・デッドリフトの配置についてはBIG3の順番ガイド — スクワット・ベンチ・デッドリフトの最適配置と使い分けで詳しく解説しています。

まとめ

要点を3行で整理します。

  • コンパウンド種目とは2つ以上の関節を動かす種目で、動員量・扱える重量・時間効率の3点に強みがあります
  • 種目選びは部位別×器具別の一覧から、「押す・引く・下半身」の3方向が揃うように選ぶと組み立てやすくなります
  • 週2〜3回、コンパウンドを先・アイソレーションを後に置く構成が、多くの方にとって現実的な出発点になります

トレーニングの正解は一つではなく、体格も生活リズムも人それぞれです。

それでも、種目の優先順位を一度見直すだけで流れが変わる方は少なくありません。

まずは今のメニューに「押す・引く・下半身」が揃っているかを確認するところから始めてみてください。

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