「パーソナルトレーナーって、やっぱり色々サプリ飲んでますよね?」。お客様からよく聞かれる質問です。
結論から言うと、サプリは必須ではありません。食事・トレーニング・睡眠という3つの土台が整っているなら、サプリなしでも体は十分変わります。「何か特別なものを飲まないと」と焦る必要は、本当にないのです。
ただし、私自身は10年以上トレーナーをやる中で、自分に合ったサプリを必要な分だけ取り入れてきました。今回は、私が実際に使っているサプリ、逆に注意が必要だと感じているもの、そして選び方の基本を、10年愛用者の視点から正直にお話しします。
サプリは必須ではない。必要な人が、必要なものを摂ればいい
まず前提をお伝えします。サプリメントは、「足りないものを補う」ためにあるものです。すでに食事で必要な栄養素が十分摂れているなら、サプリを追加する意味はほとんどありません。
プロテインがなくても筋肉はつきますし、クレアチンがなくても筋トレの成果は出ます。広告で言われるほど、サプリは「魔法」ではないことを、まずお伝えしたいのです。
ではなぜサプリが存在するかというと、忙しくて食事が偏る時の補填として便利だからです。仕事で昼食を抜く日が多い方には、プロテインで最低限のたんぱく質を補うのは合理的な選択です。野菜が不足しがちな方がマルチビタミンを使うのも、理にかなっています。
大事なのは「必要な人が、必要なものを、必要な時に摂る」という考え方。広告やSNSの「これが必須!」に踊らされず、自分の食生活と目標を整理した上で、足りない部分だけ埋めていく。これがサプリとの正しい距離感だと感じています。
私が今も使い続けている、4つのサプリ
参考までに、私自身が長期間使い続けている4つのサプリをご紹介します。あくまで私の選択であって、皆さんに必須というわけではない点は強調しておきます。
1. プロテイン(ホエイ)一番の定番で、最も使用頻度が高いサプリです。朝食をゆっくり食べる時間がない時、トレ直後の栄養補給、高齢の親のたんぱく質補助として活用しています。選び方の基本はパーソナルジムでプロテインは必要?トレーニング後の栄養補給と選び方もご覧ください。
2. クレアチン(モノハイドレート)筋力と筋肥大の後押しとして、10年以上継続摂取しています。研究エビデンスが最も豊富なサプリの一つで、5g/日を継続するだけ。強度の高いトレーニングをする方には価値があると感じます。
3. マルチビタミン忙しい時期の「栄養保険」として。野菜摂取が減る出張期間や食生活が乱れる時に、ビタミン・ミネラル不足を埋める目的で使います。安価で手軽なので、リスクリワードが合う選択肢です。
4. グルタミン体調管理目的で愛用しています。免疫機能や腸のコンディションのサポートとして、ハードなトレーニング期や疲労がたまる時期に摂っています。必須ではないですが、「体調を落とさない保険」として役立っている実感があります。
HMBは誇大広告に注意、という私の立場
一方で、HMBというサプリには正直、距離を置いています。
HMB(β-ヒドロキシ-β-メチル酪酸)は、ロイシンというアミノ酸の代謝物で、「筋分解を抑える」「筋肥大を促す」という触れ込みで、ここ数年広告が一気に増えたサプリです。
ただ、実際の研究を見ていくと、効果が示されているのは「トレーニング未経験者」や「長期離脱からの復帰者」など、限られた対象に偏っています。トレーニングを継続している一般の方への筋肥大効果は、ほぼ確認されていないというのが、科学的に正直な現状です。
それにも関わらず、日本では「筋肉サプリといえばHMB」というイメージ広告が多く見られます。中にはプロテインの数倍の価格で販売されているケースもあり、効果に対して価格が見合っていない商品も多いのが実情です。
「HMBは絶対ダメ」という話ではありません。ただ、広告のイメージと実際のエビデンスに大きなギャップがあることは、事前に知っておいた方が後悔しない買い物ができます。プロテインを1年買える値段でHMBを数ヶ月買うくらいなら、プロテインと食事改善にお金を使う方が結果が出やすい、というのが正直な私の立場です。
EAAや他のサプリは?必要度を見極める3つの視点
「EAA(必須アミノ酸)はどうですか?」もよく聞かれる質問です。
EAAは良いサプリです。筋肉合成に必要な9種のアミノ酸がバランスよく入っており、吸収も速い。トレ中や空腹時の栄養補給に役立ちます。ただし私は、「必須ではない」という立場です。プロテインで十分カバーできる場面が多いからです。EAAを検討するなら、プロテインで土台を整えた後、さらに追い込みたい時の追加オプション、くらいの位置付けが現実的です。サプリを検討する時、自分に必要か見極める3つの視点を紹介します。
1. 食事で補えないか? — まずは食事改善が先。プロテインを買う前に、鶏むね肉を夕食に一品足す方が効きます。 2. エビデンス(科学的根拠)は十分か? — 広告ではなく、論文・研究の数を見る。モノハイドレートのクレアチンやホエイプロテインは、研究数が特に豊富です。 3. コスパは妥当か? — 月額換算で、プロテイン3,000〜5,000円、クレアチン1,000〜2,000円が相場。これより大幅に高いサプリは、価格に見合う根拠があるか疑ってみる視点が大切です。この3つを通せば、サプリ選びで大きく外すことは少なくなります。食事全般の考え方はパーソナルジムの食事指導は厳しい?3タイプの違いとストレスなく続ける選び方もあわせてどうぞ。
まとめ — サプリは「魔法」ではなく「補助」
サプリメントは、必須ではありません。でも、自分の食生活と目標に合うものだけを選んで使うと、頼もしい味方になります。
私が愛用しているのはプロテイン・クレアチン・マルチビタミン・グルタミンの4つ。広告で流行っているHMBには正直距離を置いており、EAAは良いけれど必須ではない、というスタンスです。
サプリにお金をかける前に、まず食事・トレーニング・睡眠の土台を整える。その上で足りないものだけを補う。この順番が、サプリを「無駄にしない」一番の方法だと感じています。










