「最近、腕を後ろに回すのがつらくて…」
無料カウンセリングで40代・50代の方から、こうしたお話を伺うことが本当に多いです。シャツのボタンを留める、ブラジャーを着ける、棚の上のものを取る — 普段なら何でもない動作で、ふと違和感を感じる。それが少しずつ広がって、ある日「あれ、腕が上がらない」と気づく。これが四十肩・五十肩の入り口です。
正直にお話しすると、四十肩は「年齢のせいで仕方ない」ものではありません。10年現場で見てきて、私はそう確信しています。今回は四十肩がなぜ起こるのか、そしてなぜ筋トレで予防できるのかを、私が現場で実践していることも含めて正直にお話しします。
四十肩はなぜ起こるのか — 私が現場で見てきた共通点
医学的には四十肩・五十肩は「肩関節周囲炎」と呼ばれ、肩関節周辺の筋肉や腱、関節包に炎症が起きて可動域が制限される状態を指します。原因は完全には解明されていませんが、加齢に伴う組織の変化が背景にあると言われています。
ただ、現場で多くの方を見てきて感じるのは、加齢そのものよりも「動かさない時間」の長さの方が影響が大きいということです。デスクワーク中心で1日中肩をほとんど動かさない、寝るときも同じ向きでスマホを見続ける、休日も家でじっと過ごす。こうした生活が何年も続くと、肩周辺の筋肉と関節包が固まり、いざ動かそうとした時に炎症が起きやすくなります。
実際、Re:Glow に通われているお客様で四十肩予備軍だった方々に共通していたのは、「肩を後ろに回す動作を最近何年もしていない」という点でした。年齢ではなく、動かさない時間が肩の柔軟性を奪っていく。これが私の現場での実感です。
筋トレで予防できる理由 — 肩関節を支える筋肉と血流の話
肩関節は人間の体の中で最も可動域が広い関節で、その分、筋肉で支えなければ安定しない構造をしています。中でもローテーターカフ(回旋筋腱板)と呼ばれる4つのインナーマッスル(棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋)は、肩関節を内側から包んで安定させる働きを持ちます。
この筋肉群が衰えたり固まったりすると、肩関節の動きがぎこちなくなり、無理な動きで炎症が起きやすくなります。逆に、適度に鍛えて使い続けていれば、関節そのものの可動域が保たれ、四十肩のリスクが下がるという流れです。
筋トレのもう一つの効果は、血流を維持することです。動かさない筋肉は血流が落ち、組織が固くなり、炎症が起きやすい状態に近づきます。週に2〜3回、肩周辺をしっかり動かす時間を作るだけで、血流が保たれ、組織の柔軟性が維持される傾向があります。
背中を鍛えたら肩こりと無縁になった — 姿勢が変わった私の話でも書いたように、肩周辺は鍛えれば変わる部位です。年齢で諦める前に、まずは動かす時間を増やすところから始めるのが現実的です。私が現場で勧めている、四十肩予防のための4つの動き
ここからは私が実際に40代・50代のお客様にお伝えしている、四十肩予防のための動きを4つ紹介します。難しい器具は使わず、家やジムで取り入れやすいものに絞りました。
1. エクスターナルローテーション(外旋)ローテーターカフの中でも特に衰えやすい棘下筋・小円筋を鍛える動きです。脇を締めて肘を90度に曲げ、軽いダンベルやチューブを外側に開いていきます。重量は1〜2kgで十分、回数は左右15〜20回が目安です。
2. インターナルローテーション(内旋)肩甲下筋を狙う動きで、外旋と対になります。同じ姿勢から内側に閉じる動きで、これも軽い負荷で十分です。外旋・内旋はセットで行うと、肩関節のバランスが整います。
3. 肩甲骨回し・肩甲骨寄せ肩甲骨自体を大きく動かす習慣も大切です。両手を肩に置いて大きく前後に回す、両肘を後ろに引いて肩甲骨を寄せる — 1日3分でも続けると、肩周辺の固さが変わってきます。詳しい考え方は肩甲骨はがしは魔法ではありません — 戻らない肩甲骨の作り方も参考になります。
4. ラットプルダウンや軽いシーテッドロウ肩を後ろから支える広背筋・僧帽筋を鍛えると、肩関節全体が後ろから引かれて安定します。重い重量は不要で、フォーム重視で15回前後できる重さで丁寧に動かすのが、四十肩予防には向いています。
痛みが出たら無理をしない — 受診と運動の使い分け
ここで一つ、強くお伝えしたいことがあります。すでに痛みが出ている場合、自己判断で筋トレを始めるのは避けてください。
四十肩には「炎症期(痛みが強い時期)」「拘縮期(固まる時期)」「回復期」という段階があり、特に炎症期に動かしすぎると症状が悪化することがあります。すでに腕が上がらない・夜寝られないほど痛むという状態であれば、まずは整形外科を受診し、レントゲンや MRI などで状態を確認してもらうのが先です。詳しくは関節が痛い時は、トレーニングを休んで病院へ行きましょう — 怪我と向き合う3つの鉄則でもお伝えしています。
筋トレが力を発揮するのは、まだ痛みが出ていない予防の段階と、医師から運動許可が出た後の回復期〜安定期です。この使い分けを守れば、筋トレは肩を守る一番の味方になってくれます。
Re:Glow の現場視点
Re:Glow のお客様で印象的なのは、50代でデスクワーク中心の方が「もう少しで腕が上がらなくなりそう」というタイミングで来られたケースです。週2回のセッションで肩甲骨と肩のインナーを丁寧に動かす時間を3ヶ月作っただけで、可動域が明らかに広がり、ご本人も「動かすって大事なんですね」とおっしゃっていました。早めに気づいて動き始めれば、肩は応えてくれる。これが、10年現場で確信していることです。
まとめ — 「動かし続ける」という選択
四十肩は年齢のせいで諦めるしかない症状ではありません。動かさない時間が積み重なって起こるものなら、動かす時間を意識的に作ることで予防できる可能性があります。
ローテーターカフを軽い負荷で動かし、肩甲骨を毎日少しでも回し、背中側の筋肉を保つ。これだけで、40代・50代以降の肩は大きく変わってきます。痛みが出たら受診と運動を使い分け、予防の段階では筋トレを味方にする。この使い分けが、長く動ける肩を作る現実的な道筋です。










