筋トレを習慣にしている方なら、一度は経験したことがあるかもしれません。「今日はジムに行くのが気が重い」「バーベルを触るのが憂鬱だ」という日。実を言うと、私もそうです。10年近く筋トレを続けていますが、週に1〜2回はそういう日が訪れます。
続けている人は皆、モチベーションが自然に湧いてくると思われがちですが、現場の感覚は違います。続けている人ほど、「今日は気乗りしない」という波を前提にして、そこをどう乗り越えるかの仕組みを持っているのです。
この記事では、私自身が実践している3つのモチベーション術を正直にお話しします。「続かない」「気分が乗らない日が多い」と感じている方に、少しでもヒントになれば嬉しいです。
10年続けていても、筋トレは憂鬱になる日がある
私は大手パーソナルジムでの勤務を経て、Re:Glowを立ち上げました。トレーナーとしてお客様の前に立つ以上、「いつもモチベーションに満ちている」と思われがちですが、実際は違います。
特に、睡眠が足りなかった日、仕事で頭を使いすぎた日、天気が悪い日などは、ジムに向かう足取りが重くなります。20代の頃は「気合いで行けばいい」と思っていましたが、30代後半になった今、それだけでは続きません。気合いは燃料で、補給が必要な資源だと実感しています。
お客様にも正直にお伝えしています。「続けている私でも、憂鬱な日はあります。だからこそ、気持ちを切り替える仕組みを持っておくことが大切です」と。これはトレーナーとしての経験から言える、続けるための最も実用的なアドバイスだと感じています。
私が実践している3つのモチベーション術
ここからは、私が実際に使っている3つの術を具体的にお話しします。どれも大層なものではなく、日常に取り入れやすい工夫です。
① 筋トレ系YouTuberの動画を見る
一番手軽で、かつ効果を感じているのがこれです。ジムに行く前に10分程度、好きな筋トレ系YouTuberの動画を見ます。トレーニングの知識を更新できるだけでなく、「あの人もあんなに追い込んでいるなら、自分もやろう」という気持ちが自然に湧いてきます。
人の頑張りに触れると、自分の中の「今日はサボっていいか」という気持ちが薄くなっていく感覚があります。これは心理学でいう「モデリング効果」に近いもので、他者の行動を見ることで自分の行動が引き出されるという傾向が知られています。
選ぶ動画は、プロのボディビルダー系から一般の方の変化記録まで様々です。その日の気分で選ぶようにしています。音楽を聴いてテンションを上げるのと似た感覚で、手軽に気持ちをスイッチできる方法です。
② 目標を持つ(短期・中期・長期)
目標といっても、大きなものばかりではありません。私は3つの時間軸で目標を持つようにしています。
- 短期(今日〜今週): 「今日はこの種目で1回多く挙げる」など、セッション単位の小さな目標
- 中期(3ヶ月〜半年): 「ベンチプレスを5kg伸ばす」など、具体的に測れる目標
- 長期(1年以上): 「健康でいる」「息子と長く遊べる体を保つ」といった、理由に近い目標
短期目標はジムに行く推進力、長期目標は「なぜ続けるのか」の軸になります。どれか1つが欠けても続けにくい、というのが正直な感覚です。
目標はノートやスマホのメモに書いておくのがおすすめです。書くことで記憶に残りやすくなりますし、迷った日に立ち返る場所になります。
③ 「ジムに行くだけでOK」とハードルを下げる
3つ目は、最も実用的かもしれません。憂鬱な日は、トレーニングメニューのことを一旦忘れて、「ジムに着替えて入るだけ」と自分に言い聞かせます。
不思議なもので、一度着替えてジムに入ると、自然と体が動き始めます。「せっかく来たんだから、1種目だけでも」となり、気がつけば通常のメニューをこなしていることが多いのです。
行動経済学では「スタートするハードルを下げると、継続が起きやすくなる」という傾向が知られています。「今日は本気でやらなくていい」と自分に許可を出すことで、かえって動き出せるのです。
完璧を目指すと動けなくなります。60点で十分、30点でも通うだけで価値があると、自分に言い聞かせるようにしています。
Re:Glowのお客様にも、同じことが起きる
こうしたモチベーションの波は、お客様全員に起きています。「最初の1ヶ月は調子よく来られたけれど、2ヶ月目から足が重くなった」という声は、Re:Glowでもよくお聞きします。
そんな時、私はまず「それは自然なことです」とお伝えしています。続けようとしている方ほど、波があるのは普通だからです。その上で、その方の生活リズムに合わせた「モチベーションの小さな仕組み」を一緒に考えていきます。
例えば、仕事帰りに疲れている方には「ジムに着いたら、まず5分ストレッチだけ」というルールをご提案します。一方、朝が得意な方には、前日の夜に翌朝のウェアを玄関に置いておく、といった具体的な工夫をお伝えしています。
パーソナルトレーニングの良さは、こうした一人ひとりの「続けるための仕組み」を一緒に作れることにあると考えています。トレーニング内容だけでなく、通い続ける工夫まで含めてサポートするのが、私たちの役割です。
運動習慣そのものの作り方については運動習慣がつかない原因と習慣化5つのコツで詳しく扱っています。続かない原因が気になる方はパーソナルジムが続かない5つの原因と「今度こそ」を叶える対策もあわせてご覧ください。
まとめ — 続けている人こそ、憂鬱を前提にしておく
筋トレを10年近く続けている私でも、憂鬱な日はあります。続けている人が特別なのではなく、憂鬱な日を乗り越える小さな術を持っているだけなのだと、現場で実感しています。
今回お話しした3つの術は——
- 筋トレ系YouTuberの動画で他者の頑張りに触れる
- 短期・中期・長期の3段階で目標を持つ
- 「ジムに行くだけでOK」とハードルを下げる
どれも明日から試せるものばかりです。自分に合うものが1つでも見つかれば、続けやすさは変わっていきます。個人差はありますが、「続ける仕組みを持つ」という考え方自体が、継続の土台になるはずです。
もし「自分だけでは続ける工夫を考えるのが難しい」と感じている方がいれば、一度カウンセリングで話を聞かせてください。Re:Glowではトレーニング内容だけでなく、通い続けるための仕組みづくりも一緒に考えていきます。










