パーソナルジムの月額費用は3万〜10万円ほどが一般的な目安です。
この金額を「経費で落とせるか」と考える個人事業主・フリーランス・経営者の方は少なくありません。
Re:Glowのカウンセリングでも「確定申告で計上できますか」という質問をよくお聞きします。
結論から言うと、パーソナルジム代は原則として経費・医療費控除の対象にはなりません。
ただし、特定の条件が整った場合に一部認められる可能性があります。
「絶対に経費にできない」でも「簡単に経費にできる」でもなく、条件と根拠が重要というのが正確な理解です。
本記事では、個人事業主の場合・法人代表の場合・医療費控除・福利厚生の4つの観点から、それぞれの考え方と注意点を整理します。
税務判断は個々の状況によって異なります。
最終的な判断は必ず税理士または税務署にご確認ください。
経費として認められるかどうか — 判定の3原則
そもそも「経費(必要経費・損金)」として認められるには、次の3つの原則を満たす必要があります。
これは個人事業主・法人を問わず共通する考え方です。
原則1:事業との直接的な関連性があること
国税庁のタックスアンサーでは、事業所得の必要経費について「業務の遂行上必要なものであること」が前提とされています(参考:国税庁タックスアンサー No.2210 必要経費)。
「健康維持→業務効率向上」という論理は間接的であり、直接的な関連性として認められにくい傾向があります。
「体を動かすことが仕事の一部である」という職種(例:スポーツインストラクター、運動指導士)は事情が異なる場合があります。
原則2:私的支出と明確に区別できること
個人の健康維持・体型管理を目的とした支出は、原則として「家事関連費(生活費)」扱いになります。
家事関連費であっても業務用割合が明確に分けられる場合は按分計上が可能ですが、ジム利用の場合は業務割合の客観的な証明が難しい点が課題です。
「仕事の打ち合わせ前に必ず1時間トレーニングする」という使い方をしていたとしても、それだけでは業務直結性の証明として十分と見なされないことが多い傾向があります。
原則3:金額が事業規模・収益に照らして相当であること
仮に一部経費性が認められる場合でも、事業収益に比べて過大な金額は否認されるリスクがあります。
月額10万円のジム代を全額経費計上するような場合は、税務調査で指摘を受ける可能性があります。
個人事業主・フリーランスの場合
原則として、経費(必要経費)にはなりません。
個人事業主・フリーランスが支払うパーソナルジム代は、所得税法上の「家事費(生活費)」として扱われるのが原則です。
事業所得の計算において、家事費は必要経費から除外されます。
「業務と関連がある」と主張できるケース(ただし認められるとは限らない)
Re:Glowにはフリーランスの会員の方が多く在籍されており、「経費計上に挑戦した」という経験談をお聞きすることがあります。
以下のようなケースで税理士に相談した結果、「認められた」「否認された」という両方の事例が存在します。
認められた可能性があるとされる傾向:- 職業が「健康・スポーツ関連のライター・コンサルタント」であり、業務としてジム体験を記事や報告書に直接利用している
- ジムでの体験内容が商品・サービスに直接反映される性質の仕事(例:フィットネス系YouTuber、トレーニング器具の評価業務)
- 「体が資本なので健康維持のために通っている」という一般的な理由
- IT・デザイン・コンサルなどジムと業務内容が直接関係しない職種
- 主観的な「集中力が上がる」という理由のみ
Re:Glowで見てきた範囲では、「打ち合わせ前にトレーニングする習慣があるから」という理由での経費計上は、税理士から否認されるケースの方が多いとのお話をよくお聞きします。
明確な業務上の必然性と客観的な記録がない場合、税務調査でのリスクを考えると慎重な判断が必要です。
法人代表・小規模法人の場合
原則として、代表者個人のジム代は損金にはなりません。
法人の場合も、代表者個人のパーソナルジム代を法人の損金として計上することは原則として認められません。
法人の損金として認められるには「法人の業務に直接必要な費用」であることが求められます(参考:国税庁タックスアンサー No.5300 損金の額に算入される経費)。
法人が経費として計上できる可能性があるケース
ケース1:全従業員を対象にした福利厚生費として(詳細は後述)全従業員が対象の福利厚生プログラムの一環として法人契約する場合、福利厚生費として損金算入できる可能性があります。
ただし「代表者だけ」が利用できる場合は、役員賞与として認定課税されるリスクがあります。
ケース2:健康経営・産業保健の文脈での活用近年「健康経営」の観点から、従業員の運動習慣を支援する費用を福利厚生費として計上する企業が増えています。
この場合も「特定の人だけ」ではなく「全従業員に開かれた制度」であることが要件となる傾向があります。
ケース3:業務目的が明確な場合(限定的)法人の事業内容がスポーツ・フィットネス関連であり、トレーニング体験が業務に直接関係する場合は、調査研究費・研修費として計上できる可能性があります。
この場合も、業務との直接的な関連性を記録として残すことが重要です。
医療費控除との関係
原則として、パーソナルジム代は医療費控除の対象になりません。
医療費控除は、治療費・医薬品代・通院交通費などが対象です(参考:国税庁タックスアンサー No.1122 医療費控除の対象となる医療費)。
健康維持・体型改善を目的としたトレーニングは「予防・健康増進」であり、治療ではないため、原則として対象外となります。
医師の指導・処方があれば対象になる可能性がある
例外的に医療費控除の対象になる可能性があるケースとして、医師が治療の一環として運動療法を処方した場合が挙げられます。
具体的には:
- 整形外科・リハビリ医療の一環として「運動療法の実施」を医師が指示し、その指示書に基づいてパーソナルジムでのトレーニングを行った場合
- 生活習慣病の改善を目的として、医師が特定の運動プログラムを処方し、医療機関と連携して実施している場合
ただし、医師の指示書(紹介状・診断書等)が必須です。
「医師に勧められた」という口頭の勧めだけでは対象として認められません。
Re:Glowにも、整形外科のリハビリ後の回復プログラムとして担当医から紹介状をいただいた上でご入会された会員の方がいらっしゃいます。
そうした方から「医師の指示書があれば医療費控除を検討できると税理士に言われた」とお聞きすることがあります。
ただし最終的な判断は税務署・税理士との確認が必要です。
法人契約で福利厚生として使う方法
法人がパーソナルジムを「福利厚生費」として損金算入するには、いくつかの条件を満たす必要があります(参考:国税庁タックスアンサー No.5263 使用人に対して支給する福利厚生費)。
福利厚生費として認められるための主な条件
条件1:全従業員が対象であること役員・代表者だけが利用できるジム費用は、役員報酬・役員賞与として扱われます。
全従業員に開かれた制度として設計することが前提です。
条件2:金額が社会通念上相当であること月額数万円以上の高額なパーソナルジム費用を全員分補助する場合は、税務上の適切性が問われる可能性があります。
一定の上限を設けた「補助制度」として設計するのが現実的な場合が多い傾向があります。
条件3:目的が業務上の合理性があること「健康経営推進」「従業員の生産性向上」という目的が文書化されていることが望ましいです。
Re:Glowの法人契約について
Re:Glowでは法人の担当者の方からの問い合わせをいただくことがあります。
「社員の健康管理・体力向上を会社として支援したい」という目的でのご相談がほとんどです。
法人契約の詳細については法人向けプログラムのページでご案内しています。
法人契約を選ぶ経営者の動機として、Re:Glowでよくお聞きするのは「役員や管理職のパフォーマンス維持」「採用・定着率向上のための福利厚生充実」という点です。
ただし前述の通り、税務上の取り扱いは個々の状況によって異なります。
必ず顧問税理士にご確認ください。
法人の場合のポイント: 「代表者1人が使う」と「全従業員が対象」とでは、税務上の扱いが大きく異なります。次のセクションでは、全従業員対象の福利厚生費として計上するための具体的な条件を解説します。
Re:Glowの現場視点 — 税務相談と健康投資の実際
現場視点1:「経費化に成功した」と「失敗した」の差は記録と根拠
Re:Glowの会員の方(フリーランスのライター・コンサルタント等)からお聞きした範囲では、経費計上に税理士が同意したケースには共通する傾向があります。
共通していた点:- ジムでのトレーニング内容を業務日誌に記録し、業務との関連を文書化していた
- 「健康のため」ではなく「フィットネス関連の記事執筆に必要な体験として」など、業務目的を具体的に明示していた
- 事前に顧問税理士に相談し、「事業目的で利用する旨」を書面化していた
- 通ったジムのカテゴリ・担当トレーナーとのセッション内容が業務テーマと一致していた
一方、否認されたケースでは「確定申告の時期に思いついて計上した」「口頭で税理士に聞いたが記録がなかった」「IT系フリーランスがトレーニング自体と業務の関連を証明できなかった」という状況が多い傾向があります。
現場視点2:Re:Glowが発行できる書類と対応
領収書・利用明細の発行については、Re:Glowでは通常の領収書をお渡ししています。
法人向けには請求書の発行も対応しています。
よくご質問いただくのが「領収書の宛名や用途の記載方法」です。
Re:Glowとしては、目的の記載内容を指定することは税務上の問題があるためお断りしていますが、会員の方が自己判断で用途を記録される分には個人の判断となります。
Re:Glowとして明確にお伝えしていること:- 「ジム代を経費にできる」とお伝えすることはできません
- 「確定申告に有利な書き方」のアドバイスはしておりません
- 税務に関する最終判断は、必ず税理士・税務署にお問い合わせください
現場視点3:「健康投資」としての費用対効果の考え方
税務上の扱いとは別に、「月額〇万円のパーソナルジムは高いか安いか」という問いに対して、Re:Glowでは次のような視点でお話しすることがあります。
医療費・薬代・整形外科への通院費と比べると、予防的な健康維持への投資は長期的に見て効率的な場合があるという傾向があります。
経費として認められるかどうかとは別に、「健康に投資する」という判断自体は、多忙なフリーランス・経営者にとって合理的な選択の一つです。
経営者・フリーランスとしてのパーソナルジム活用の全体的な考え方については、経営者・フリーランスのためのパーソナルジム活用法もあわせてご参照ください。
三鷹台店・深大寺店のセッション環境
- アクセス:京王井の頭線 三鷹台駅 徒歩6分
- 住所:東京都三鷹市井の頭2-11-16 ARKHOUSE井の頭101(B1F)
- アクセス:京王線 調布駅から車で約10分/バスで約15分
- 住所:東京都調布市深大寺東町2-7-2 meedo03号室
よくある質問(FAQ)
Q1. 個人事業主がパーソナルジム代を確定申告で計上しました。税務調査で問題になりますか?
A. 経費性の根拠が弱い場合、税務調査で「私的支出」として否認される可能性があります。
「業務に直接関係する」という客観的な証拠(業務内容との関連性の文書、トレーニング記録、税理士の事前確認など)がない状態での計上はリスクがあります。
必ず申告前に税理士にご相談ください。
Q2. 法人が代表者1人分のジム代を会社の経費にすることはできますか?
A. 難しい傾向があります。
代表者(役員)だけが利用できるジム費用は、役員報酬・役員賞与として認定課税される可能性があります。
全従業員が対象の福利厚生として整備することが、税務上のリスクを下げる方法です。
詳細は必ず顧問税理士にご確認ください。
Q3. 医師から「運動を始めてください」と言われました。医療費控除の対象になりますか?
A. 口頭での勧めだけでは対象になりません。
医師が「治療の一環として運動療法を処方する」という形式で、処方箋や指示書等の書類が必要です。
「健康診断で生活習慣の改善を指導された」という場合は、通常は医療費控除の対象外となります。
個々の状況については必ず税理士・税務署にご確認ください。
まとめ — パーソナルジムと税務の整理
パーソナルジム代の税務上の取り扱いについて、ポイントをまとめます。
| 観点 | 原則 | 例外的に認められる可能性がある条件 |
|---|---|---|
| 個人事業主の必要経費 | 認められない | 業務と直接関係する職種・明確な根拠と記録がある場合(税理士要確認) |
| 法人の損金(代表者分) | 認められない | 全従業員対象の福利厚生制度として設計した場合 |
| 医療費控除 | 対象外 | 医師が治療として処方し、指示書等がある場合 |
| 法人契約・福利厚生費 | 全員対象なら可能性あり | 全従業員対象・金額が相当・目的の合理性がある場合 |
事前に税理士に相談し、業務との関連性を文書化した上で、適正な処理を行うことをおすすめします。
パーソナルジムへの投資を検討している方は、税務上の扱いとは別に「健康維持・パフォーマンス向上への投資」という観点でも費用対効果を検討してみてください。
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