「いくら食べても太れない」「胃が小さいから食事が続かない」「健康的に増量したい」。10年指導してきて、ダイエット相談と同じくらい受けるのが、増量・体重UPの相談です。
ダイエットの情報は世の中に溢れていますが、「太れない人」向けの実用的な情報は驚くほど少ないのが現実です。だからこそ、悩んでいる方が独学で進めて空回りするケースが多くあります。
正直にお話しすると、「食べてるのに太れない」と思っている方の9割は、必要量に届いていないのが現場で見てきた事実です。残り1割の方も、間食の使い方や腸内環境を整えれば、確実に変化が出ます。
今回は、太れない方が無理なく体重を増やすための実践を、10年現場で見てきた経験から正直にお話しします。
「食べてるのに太れない」人の正体 — ほぼ全員、必要量に届いていない
「自分は普通に食べてるのに、なぜか太れない」と思っている方の食事を、現場で実際に書き出してもらうと、共通点が見えてきます。
よくある「食べてる人」の実態- 朝:トースト1枚+コーヒー
- 昼:おにぎり1個+サラダ
- 夜:ご飯1膳+おかず1〜2品
合計してみると、1,400〜1,800kcal程度であることが多いです。これは痩せ型の方の維持カロリー以下で、当然太れません。
太るために必要な摂取カロリー- 維持カロリー(現状の体重を保つ量)+ 300〜500kcal
- 体重60kgの男性で、維持が約2,400kcal → 増量は2,700〜2,900kcal必要
- 体重50kgの女性で、維持が約1,800kcal → 増量は2,100〜2,300kcal必要
- 自己申告:「3食食べてる、結構食べてる」
- 実態:1日 1,500〜2,000kcal、必要量に500〜1,000kcal足りない
- これでは体重が増えるはずがありません
- 1週間、食べたものを全て記録(あすけん・カロミルアプリが便利)
- 数字で「自分が実際何kcal食べているか」を把握
- 必要量とのギャップを見て、どこで増やすか戦略を立てる
ダイエットと真逆の発想ですが、「食べる量を意識的に管理する」のがスタートです。ダイエット側の考え方はダイエットを成功させるためにやるべき9つのこともご覧ください。同じく「カロリー収支を知る」が出発点です。
消費カロリーは想像より大きい — 自分のカロリー収支を見直す
太れない方の中には、実は消費カロリーが想像以上に大きい方も多くいます。これを見落とすと、いくら食べても追いつきません。
消費カロリーが大きくなる要因 1. 基礎代謝が高い- 元々筋肉量が多い方
- 内臓の代謝活動が活発な体質
- 同じ体重・年齢でも、個人差が±200〜400kcalある
- 立ち仕事・歩き仕事
- 通勤で長距離歩く・自転車通勤
- 育児・家事で動き回る
- 1日10,000歩以上歩いている方は、想像以上にエネルギーを使っている
- 貧乏ゆすり、姿勢の維持、家事中の動き
- 自覚なく1日200〜500kcal使っている方も
- 痩せ型に多い特徴
- 集中する仕事は意外とエネルギーを消費
- 神経質・気を使う方は基礎代謝が高めの傾向
- スマートウォッチ(Apple Watch、Fitbit、Garmin)
- アプリで活動量と歩数を1週間記録
- 維持できている体重で、何kcal食べているかから逆算
- 自分の維持カロリーを正確に把握
- そこに300〜500kcalを加える
- 急に1,000kcal以上増やすと、消化不良・胃もたれの原因に
「食べてるのに増えない」と感じるなら、消費が想像より大きいだけかもしれません。1ヶ月、毎日300kcal上乗せして、それで増えなければさらに上乗せ、という段階的な調整が現実解です。
間食を味方に — 咀嚼が辛いならスムージー・プロテインの活用
太れない方の最大のハードルは、「3食で必要量を食べきれない」こと。胃が小さい、咀嚼が疲れる、食欲が続かない、忙しくて食事に時間が取れない。これは無理に克服する必要はありません。間食を上手に使えば解決します。
間食の役割- 3食の間で「不足分」を埋める
- 1回の食事量を増やすより、回数を増やす方が消化に優しい
- 1日5〜6食に分けると、胃の負担が小さく増量しやすい
- バナナ + 牛乳 + プロテイン + ピーナッツバター
- 咀嚼ゼロで一気にカロリー摂取
- たんぱく質・糖質・脂質をバランスよく
- 私自身も増量期に活用していました
- アーモンド・カシューナッツ・くるみ
- 良質な脂質と少量のたんぱく質
- 持ち運びやすく、デスクで食べやすい
- レーズン・デーツ・干しいちじく
- 糖質と食物繊維、噛みやすい
- 自然な甘みで満足感あり
- 高たんぱく、消化に優しい
- はちみつで糖質を上乗せ
- 食欲がない時にも入りやすい
- 持ち運び便利、忙しい日の応急処置
- 質の良いものを選ぶ
- プロテインの使い方はプロテインは魔法の粉ではありませんもご参考に
- 朝食と昼食の間:10時頃
- 昼食と夕食の間:15時頃
- 夕食後・就寝前:21時頃(寝る2時間以上前に)
- 朝:固形食(800kcal)
- 10時:スムージー(300kcal)
- 昼:固形食(700kcal)
- 15時:ナッツ+プロテイン(300kcal)
- 夜:固形食(700kcal)
- 寝る前:ヨーグルト(200kcal)
- 合計:3,000kcal(普通の人より多めだが分散しているので食べやすい)
ボディビルダーの1日6食戦略はボディビルダーが減量期に1日6食も食べる、5つの理由もどうぞ。同じロジックが「増量期」にも当てはまります。プロテインを食事代わりに使う考え方はプロテインは食事の代わりになるか?もご覧ください。
腸内環境を守る — 食物繊維と消化吸収のケア
「食事を増やしたら、お腹が張る・下痢になった」というのは、増量で本当によくある悩みです。急に量を増やすと、腸内環境が荒れるのは現場でも多く見てきました。
増量時に腸内環境が荒れる理由- 食事量が急増し、消化酵素が追いつかない
- たんぱく質摂取増加で腸内悪玉菌が増えやすい
- 油・脂質の消化が追いつかず、下痢・軟便に
- 食物繊維不足で便秘・お腹の張り
- 1日 20〜25g 目標
- オートミール、玄米、大麦、野菜、果物、豆類
- 増量で炭水化物増やす時は、白米だけでなく雑穀も活用
- ヨーグルト、納豆、キムチ、味噌
- 善玉菌を増やし、腸内環境を整える
- 朝ヨーグルト、夜は味噌汁、など習慣化
- 食事量が増えると、必要な水分量も増える
- 1日2〜2.5L目安
- 食物繊維の働きにも水分が必須
- 「今日からいきなり3,000kcal」はNG
- 2〜3週間かけて、徐々に増やす
- 胃腸が量に慣れる時間を作る
- 揚げ物・加工食品の油は腸を荒らす
- オリーブオイル、ナッツ、青魚の油(オメガ3)を活用
- 良質な脂質はカロリー密度も高く、増量に有利
- お腹の張り・ガスが頻繁
- 慢性的な軟便・下痢
- 食欲が逆に落ちてきた
- 肌荒れが急に出てきた
これらは腸内環境のSOS。一旦量を戻して、食物繊維と発酵食品を増やしてから再開するのが正解です。
食事の組み立て方の全体像はパーソナルジムの食事指導は厳しい?3タイプの違いとストレスなく続ける選び方もご覧ください。プロテインの摂取タイミングも増量期に効果的、詳しくはプロテインを摂るべきタイミングはいつ?もどうぞ。
まとめ — 「食べてないだけ」と認めて、無理なく増やす5つの実践
太れない方が体重を増やす5つの実践:- 必要量を数字で把握 — 1週間の食事を記録、維持カロリー+300〜500kcal
- 消費カロリーを見直す — スマートウォッチで把握、活動量に応じて調整
- 間食を活用 — スムージー・ナッツ・プロテインで1日5〜6食
- 腸内環境ケア — 食物繊維・発酵食品・水分・段階的な量増加
- 筋トレ併用 — 増えた分を筋肉に変える
「自分は太れない体質」ではなく、「必要量に届いていないだけ」であることが多いです。それを認めて、戦略的に食事を組み直すと、3〜6ヶ月で確実に体は変わってきます。
無理なく食べる工夫、腸内環境への配慮、段階的な増量。焦らず、体に優しいペースで進めることが、健康的に体重を増やす最短ルートです。
筋肉として体重を増やす意味は筋肉があると人生が変わるもご覧ください。痩せている方こそ、筋肉をつけることで日常が大きく変わります。一緒に、無理なく続く増量を組み立てていきませんか。
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