ダイエット・脂肪燃焼

プロテインは魔法の粉ではありません — 10年飲み続けてきた私が伝えたい、本当の使い方

プロテイン売り場を見ると、パッケージにはマッチョな人の写真、「筋肉を育てる」「爆発的吸収」といった刺激的な言葉が並んでいます。SNSでも「プロテインを飲み始めたら体が変わった」という投稿が毎日のように流れてきます。

10年以上プロテインを飲み続けてきた私としては、これを見るたびに少し複雑な気持ちになります。期待させすぎてしまっている、と感じるのです。

先に結論をお伝えします。プロテインは魔法の粉ではありません。あくまでもサプリメント、つまり「補助的な食品」です。業界の内側に10年以上いる一人として、プロテインの正体と、本当の使い方について正直にお話しします。

「プロテインさえ飲めば」という幻想が生まれる理由

幻想が作られる背景は、主に3つあります。

1つ目は、業界マーケティングです。プロテイン市場は大きなビジネスで、各メーカーが「飲めば結果が出る」と期待させる訴求を続けてきました。パッケージのマッチョな写真、「プロ仕様」「激変」といった言葉は、どれも「粉を買えばあの体に近づける」というイメージを喚起します。 2つ目は、SNSの切り取り文化です。「プロテインを飲み始めて3ヶ月で−10kg」のような投稿が拡散されますが、その裏ではトレーニング内容、食事全体の改善、睡眠の見直しが同時に進んでいることが多く、プロテインだけが変化を起こしたわけではありません。でも切り取られた情報だけを見ると「プロテインのおかげ」に見えてしまうのです。 3つ目は、私たち自身の心理的バイアスです。努力より「買う」方が楽なので、「この粉さえあれば」と思いたい気持ちは自然な反応です。私も独学時代、プロテインを毎日飲めば筋肉がつくと信じていた時期がありました。結果は、当然ながら思ったほど体は変わりませんでした。

これらが重なって、プロテインは「魔法の粉」というイメージを纏うに至っています。

保戸塚 康裕
執筆 Re:Glow代表 保戸塚 康裕

NSCA認定パーソナルトレーナー(NSCA-CPT)。大手パーソナルジム勤務を経て独立し、Re:Glow パーソナルジムを設立。延べ3,000件以上のセッション実績を持ち、初心者から競技者まで幅広い層の指導を行う。

本記事は一般的な情報提供を目的としており、医療上の助言を意図するものではありません。

プロテインの正体は「粉にしたたんぱく質」、ただの食品です

パッケージを剥いで成分を冷静に見ると、プロテインの正体はとてもシンプルです。

プロテインとは、英語で「たんぱく質」そのものを指す言葉です。日本では「プロテインパウダー」の略称として使われていますが、語源は単なる栄養素の名前でしかありません。中身は、牛乳から脂肪と糖分を取り除いたホエイや、大豆由来のソイといった「たんぱく質を濃縮した粉」です。食品の濃縮版以上でも以下でもありません。

たんぱく質量で比較すると、市販のプロテイン1杯(約30g)で約20gのたんぱく質が摂れます。一方、鶏むね肉100gにも約22gのたんぱく質が含まれています。つまり鶏むね肉を100g食べれば、プロテイン1杯とほぼ同じ量のたんぱく質が取れるということです。

プロテインの利点は「手軽さ」と「吸収の速さ」にあるのであって、鶏肉や魚や卵と比べて特別に効く栄養素というわけではありません。食材レベルでのたんぱく質選びについては鶏ムネ肉と鶏モモ肉、筋肉に良いのはどっち?でも書いていますが、粉ではなく食品として捉えるのが現実的な距離感だと私は感じています。

本当に体を変える9割は「食事・トレ・睡眠」にある

10年以上の経験から正直にお伝えすると、体が変わるかどうかは以下の3つでほぼ大半が決まります。

1つ目は、日常の食事です。たんぱく質だけでなく、炭水化物・脂質・ビタミン・ミネラルを含む「食事全体のバランス」が体づくりの土台です。プロテインを飲んでいても、昼食がコンビニのおにぎり1個、夜は外食で揚げ物中心、という食生活では筋肉は育ちにくい傾向があります。 2つ目は、トレーニングそのものです。筋肉は「刺激」を受けて初めて育ちます。粉を飲んでも、筋肉に十分な負荷をかけなければ肥大は起きません。「プロテイン飲んでるのに変わらない」という方の多くは、ここが抜けています。 3つ目は、睡眠と休息です。筋肉が育つのはトレーニング中ではなく、休んでいる時です。睡眠不足で回復が追いつかなければ、どれだけたんぱく質を摂っても体は進まないというのが生理学的な事実です。

プロテインはこの3つの土台に対して、最後の1割の補完に過ぎません。土台なしに粉だけ足しても、ビルは建ちません。これが、10年の現場で一番強く感じていることです。食事の整え方についてはパーソナルジムの食事指導は厳しい?3タイプの違いとストレスなく続ける選び方も参考になさってください。

次の一歩

「プロテインを飲んでいるのに体が変わらない」「何が足りないのか自分では判断できない」という方は、無料カウンセリング&無料体験(約60分・無料)で現状の食事・トレ・睡眠を一緒に棚卸しさせてください。土台のどこに穴があるか、正直にお伝えします。

それでもプロテインが便利な、3つの場面

誤解を解いた上で、プロテインが確かに便利な場面もあります。全否定ではなく、正しい道具として使えば有用です。

1つ目は、朝食をゆっくり食べる時間がない時です。忙しい朝、何も食べないよりはプロテインとバナナ1本の方が、はるかに理にかなった選択です。空腹のまま出勤して筋肉が分解されるリスクを避けられます。 2つ目は、トレーニング直後です。運動後30〜60分以内は栄養吸収が良くなる時間帯と言われており、固形物を消化するより液体のプロテインの方が胃に負担がかかりません。ただし、その後の食事できちんと食べることが前提です。 3つ目は、高齢の方や食が細い方の食事補助です。年齢とともに食事から十分なたんぱく質を取るのが難しくなる傾向があります。そういう方に「食事の上乗せ」として使うのは理にかなっています。

いずれの場面でも、プロテインは「食事の代わり」ではなく「食事の補助」です。プロテインの選び方についてはパーソナルジムでプロテインは必要?トレーニング後の栄養補給と選び方で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

まとめ — 魔法ではなく、サプリメント。その認識から始まる

「プロテインは魔法の粉ではありません」。10年以上飲み続けてきた私の、偽らざる結論です。

プロテインの正体は、粉にしたたんぱく質。食品の濃縮版というだけで、鶏むね肉や卵と本質的には変わりません。体を変える大部分は「食事・トレ・睡眠」で決まり、プロテインはその最後を少し楽にしてくれる道具、程度に捉えるのが現実的です。

もし「プロテインを飲んでいるのに結果が出ない」と悩んでいる方がいれば、原因はプロテインでも意志でもなく、土台の3つのどこかに穴がある可能性が高いです。魔法の粉ではなく、サプリメント。その認識があれば、期待も使い方も、変わってきます。

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