初心者・運動習慣づくり

五月病で運動のやる気が出ない時 — 無理せず動き出すための3つの小さな一歩

「ゴールデンウィークまでは順調に通えていたのに、連休明けたらジムに行く気力が一気に消えた」「朝起きるのもしんどい、運動なんて到底無理」。毎年この時期、Re:Glowでもキャンセルや休会のご相談が一時的に増えます。世間ではこれを「五月病」と呼びますが、10年現場で見てきた立場から言うと、これは気合不足でも怠けでもなく、自律神経のリズムが連休の生活リズムでズレた結果として起こるごく自然な現象です。

問題は、「自分は意志が弱い」と自分を責めて、そのまま運動から完全に離れてしまうことです。一度離れた習慣を取り戻すのは、再開コストが大きく、続けてきた1〜2か月の積み重ねが台無しになります。

今回は五月病で運動のやる気が出ない時、無理せず動き出すための3つの小さな一歩を、現場目線でお話しします。

五月病で運動できないのは「気合不足」ではない

まず、五月病のメカニズムを整理します。

五月病の正体は自律神経の乱れ
  • 4月の新生活で交感神経が優位になり緊張状態が続く
  • ゴールデンウィークで一気に副交感神経優位(リラックス)に切り替わる
  • 連休明け、再び交感神経に戻そうとして自律神経が混乱する
  • その結果、倦怠感・睡眠の質低下・意欲低下が起こる

ポイントは、「気合いを入れれば直る」類の問題ではなく、生活リズムを整え直す必要があるという点です。意志の問題ではなく、体のリズムの問題なので、自分を責める必要は一切ありません。

運動を完全停止すると逆効果になる

ここで多くの方が間違えるのが、「やる気が戻るまで運動を休もう」と完全停止する選択です。これは現場目線ではむしろ逆効果に働きます。

  • 運動を完全に止めると、自律神経のリセット機会が減る
  • セロトニン分泌が減り、気分の落ち込みが長引きやすい
  • 運動習慣は3日〜1週間止めると「再開コスト」が膨大になる

正しいのは「いつもの強度を一旦落としてでも、何かしら身体を動かし続ける」という方向です。完全停止と低強度継続では、3週間後の状態が大きく違います。

保戸塚 康裕
執筆 Re:Glow代表 保戸塚 康裕

NSCA認定パーソナルトレーナー(NSCA-CPT)。大手パーソナルジム勤務を経て独立し、Re:Glow パーソナルジムを設立。延べ3,000件以上のセッション実績を持ち、初心者から競技者まで幅広い層の指導を行う。

本記事は一般的な情報提供を目的としており、医療上の助言を意図するものではありません。

一歩目: いきなり再開ではなく「3分だけ」から始める

五月病でやる気が出ない時、最大の落とし穴は「いつも通りの1時間トレーニングをやろう」と完璧を目指すことです。

ハードルを限界まで下げる

私が会員様に必ずお伝えしているのは、「3分だけでいい」「ストレッチだけでいい」「ジムに着いて帰ってもOK」という極端なまでのハードル下げです。理由はシンプルで、やる気は行動の前ではなく、行動の後に湧いてくるからです。

  • ストレッチ3分 → 体が温まる → 「もう少し動こう」と思える
  • ウォーキング5分 → 血流が上がる → 「もう10分歩こう」と思える
  • ジムに着く → 着替える → 「軽く動かそう」と思える

この「行動が先、やる気が後」の順序を体感できれば、五月病期間中でも運動は続きます。

「やらない」よりは「軽くやる」

具体的には、ふだん週2回1時間ずつトレーニングしている方なら:

  • 五月病期は週2回×30分(強度6割)に落とす
  • 1セット重量を80%に下げる
  • ストレッチと有酸素運動だけの日があってもOK
「100点でなければ0点」ではなく、「30点でもいいから続ける」という意識が、五月病を乗り切るうえで決定的に重要です。
次の一歩

五月病期間中の運動メニューを一緒に組み直したい方は、無料カウンセリング&無料体験(約60分・無料)でご相談いただけます。「3分でも続ける」設計を体に合わせてご提案します。

二歩目: 私自身もGW明けに実践している2つのリブート習慣

私自身もトレーナーといえど人間ですから、毎年連休明けは身体が重く感じる日があります。10年トレーニングを続けてきた中で、自分なりに編み出したリブート習慣を2つお話しします。

朝の散歩 + 太陽光15分

連休明けの最初の3日間は、起床後30分以内に外に出て15分歩きます。これは私が継続してきた中で自律神経の切り替えに最も効いた習慣です。

  • 朝の太陽光がセロトニン分泌を促す
  • 軽い有酸素運動が交感神経を穏やかに立ち上げる
  • 「今日も動いた」という小さな達成感が、ジムに向かう原動力になる

これだけで「行く気がしない日」が、「軽くでも動こう」に変わります。関連記事の朝コーヒー×ウォーキングがダイエット効果を高めるでも触れていますが、朝の小さな運動は1日の流れを変える効果があります。

ジムに着いてから内容を決める

二つ目は、ジムに行く前にメニューを決めないことです。「今日は重い日にしよう」と前もって決めると、当日体が重い時にプレッシャーになります。

  • とにかくジムに着く(ハードル1段目)
  • ストレッチしながら今日の体調を確認(ハードル2段目)
  • その日の体調に合った内容を決める(実行)
「やる前に決めない、現場で決める」というスタイルは、五月病期だけでなく長期的な継続にも効果的です。やる気がない時の継続についてはトレーニングモチベーションの保ち方もあわせてご参照ください。

三歩目: 一人でやる気を出す難しさと、伴走者がいる安心感

ここまで色々書きましたが、正直に言ってやる気が出ない時に一人で動き出すのは、想像以上に難しいです。

一人継続の限界
  • 「今日くらい休んでもいい」と自分に言い訳できる
  • 周囲に進捗を共有していないから、サボっても気付かれない
  • 五月病期に休むと、そのまま習慣が消える方が圧倒的に多い

私が10年現場で見てきて、一番もったいないと思うのは「3か月続けて変わってきた頃に、五月病で離脱してそのまま卒業」というパターンです。せっかく積み上げた習慣と身体の変化が、たった1か月の離脱でリセットされてしまいます。

伴走者がいることの効果

パーソナルジムの最大の価値は、実は「指導の精度」よりも「伴走者がいる」という事実そのものにあると感じます。

  • 予約が入っていれば、行く理由ができる
  • トレーナーが体調変化を察知して、その日に合ったメニューに調整できる
  • 「強制」ではなく「気にかけてくれる人がいる」という安心感
  • 続かない自分を責めずに「今日は軽くしましょう」と提案してくれる

これは「一人で頑張る」のとは全く違う継続のしやすさを生みます。詳しくはジムに行く気がしない日でも通うべき理由でも整理しています。

Re:Glowでの五月病期の対応

Re:Glowでも、5月は「軽めの日」を提案するセッションが増えます。重量を6〜7割に下げ、ストレッチや姿勢調整を多めに入れて、「来てもらうことを最優先」にします。完璧を求めず、続けることを優先する。これが結果的に、五月病期を抜けた後の伸びを大きくします。

まとめ

五月病で運動のやる気が出ないのは、気合不足ではなく自律神経の乱れによる自然な現象です。完全停止ではなく、「3分だけ」「30点でもいい」という極端なハードル下げで動き続けることが、最も結果につながる戦略です。

私自身も毎年連休明けは身体が重い日があります。それでも10年続けてこられたのは、朝散歩と「現場で決める」習慣、そして何より「伴走者の存在」が大きいからです。

一人で気合を入れ直そうとせず、無理せず、小さく動き出す。それが五月病期間中の最善手です。Re:Glowは「強制ではなく伴走」というスタンスで、こうした波を一緒に乗り越えるパートナーでありたいと考えています。

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