「ピラティスに興味はあるけれど、男が行っていいものなのか」という相談を、カウンセリングでお聞きすることがあります。
先にお伝えすると、Re:Glowはパーソナルトレーニングを専門とする完全個室のジムで、ピラティスのセッション自体は提供していません。
それでも、筋トレを指導する立場で男性の体を数多く確認してきた中で、ピラティスと相性のいい男性の特徴ははっきりしてきました。
結論からお伝えすると、ピラティスは男性にも効果が期待できます。
とくに筋トレの経験がある男性と、体が硬い男性は伸びしろが大きい傾向です。
実際にハードルになっているのは効果の有無ではなく、「どの形態のスタジオを選ぶか」という場の問題であることがほとんどです。
この記事では、「女性のもの」というイメージがどこから来ているのかを整理したうえで、男性に効く理由・体が硬くても始められる理由・恥ずかしさの現実的な解き方・向くケースと向かないケースを順番にお伝えします。
「ピラティスは女性のもの」なのか — イメージの出どころを分解する
まず、多くの男性が最初に引っかかる「ピラティスは女性のもの」というイメージから整理します。
このイメージは、エクササイズの中身ではなく、スタジオの客層から生まれたものです。
Re:Glowのカウンセリングでも「ピラティスは女性向けの運動ですよね」と確認されることがあります。
その場でお伝えしているのは、ピラティスがジョセフ・ピラティスという男性の名前を冠し、負傷兵のリハビリを起点に体系化されたと紹介されるエクササイズだということです。
成り立ちの面で女性専用として設計されたものではなく、体の使い方を整える手段として男性アスリートのコンディショニングに取り入れられている例も知られています。
一方で、Re:Glowのカウンセリングでピラティス経験を伺うと、「通っていたスタジオは参加者がほぼ女性だった」という話をよくお聞きします。
「見学に行ったが、内装も案内も女性向けで入りづらかった」という声も同じくらいよく出てきます。
つまり「男性に向いていない運動」なのではなく、「男性が集まる場になっていない」というのが多くの方の実感です。
この違いを分けて考えると、判断がしやすくなります。
効果があるかという問いと、通いやすい場所があるかという問いは、別々に解いていけるためです。
前者はこの後の2つの章で、後者は形態選びの章でお伝えします。
筋トレをしている男性ほど伸びしろが大きい — 「出力」と「制御」は別の能力
筋トレを続けている男性から、「今さらピラティスをやる意味があるのか」という質問をよくお聞きします。
ここは意見が分かれやすい部分ですが、筋トレ経験がある男性ほど得るものが大きい、というのが現場での実感です。
理由は、筋トレとピラティスが鍛えている能力が別物だからです。
体の能力は、大きく「出力系」と「制御系」に分けて考えられます。
出力系は、どれだけ大きな力を出せるかという能力です。
制御系は、その力を体のどこに、どのタイミングで、どれくらい配分するかという能力です。
筋トレは主に出力系を、ピラティスは主に制御系を扱います。
ここで起きやすいのが、出力だけが先に伸びていくというアンバランスです。
ベンチプレスの重量は順調に伸びているのに、ラットプルダウンでは背中ではなく腕ばかりが疲れる。
スクワットは深くしゃがめているつもりなのに、動画を撮ると腰が丸まっている。
こうした状態は、力が足りないのではなく、力の配分先を体が選べていない状態です。
制御が追いつかないまま出力だけを積み上げると、フォームの崩れが固定されていきます。
その結果、重量が頭打ちになったり、特定の部位だけに張りや痛みが集中したりする形で表面化します。
男性は出力側の伸びを実感しやすいぶん、制御側の遅れに気づくのが遅くなる傾向があります。
ピラティスは、この制御側に集中して時間を使えるエクササイズです。
呼吸に合わせて背骨や骨盤の位置を意識しながら、ゆっくり動く反復が中心になります。
筋トレで扱う重量が変わらなくても、狙った筋肉に力が入る感覚が戻ってくると、同じ種目の効き方が変わっていきます。
ピラティスで具体的にどんな変化がいつ頃から出てくるかは、ピラティスの効果はいつから?期待できる変化・効果が出ない人の特徴・効果を高める条件をトレーナーが解説で詳しく整理しています。
体が硬い男性こそ向いている — 「硬いから無理」が逆である理由
「前屈で床に手が届かないので、自分には無理だと思っている」という声も、男性からよくお聞きします。
ここは誤解が起きやすい部分なので、順を追ってお伝えします。
ピラティスは、柔軟性の高さを競うエクササイズではありません。
中心にあるのは、今動かせる範囲を正確に、意図したとおりに動かせるようにする練習です。
そのため、開始時点で体が硬いことは参加の条件を満たさない理由にはなりません。
むしろ動かせる範囲が狭いところから始めるほど、変化を実感しやすい傾向があります。
体の硬さには、大きく3つの原因があります。
1つ目は、筋肉が縮んだまま硬くなっている状態です。
2つ目は、関節そのものの構造や過去のケガによる制限です。
3つ目は、体が力を抜けずに常に緊張している状態です。
Re:Glowで男性の初回セッションを行うと、2つ目より1つ目と3つ目が原因になっているケースが多く見られます。
デスクワークで同じ姿勢が続き、胸の前側や股関節の前側が縮んだまま固まっているパターンです。
このタイプの硬さは、動かし方を変えることで反応が出やすい傾向があります。
自分の硬さがどのあたりにあるかは、次の3つで大まかに確認できます。
- 壁立ちチェック: 壁を背にして立ち、後頭部・肩甲骨・お尻・かかとが自然につくかを見る
- バンザイチェック: 両腕を真上に上げたとき、腕が耳の横までスッと上がるか、前に流れるかを見る
- しゃがみチェック: かかとを床につけたまま深くしゃがめるか、後ろに倒れそうになるかを見る
3つとも引っかかる場合は、可動域と制御の両方に伸びしろがある状態です。
どれも力の強さではなく体の使い方を見ている項目なので、筋力に自信がなくても判定できます。
変化の出方や必要な期間には個人差があり、デスクワーク歴の長さによっても変わります。
「恥ずかしい」「スタジオで浮く」を解く — 効果より先に決めるのは形態選び
ここまでで効果面の話を整理してきましたが、実際に男性が足踏みする最大の理由は別のところにあります。
「教室で自分ひとりが男性だったら気まずい」という、場の問題です。
まず、恥ずかしさの中身を分解してみます。
Re:Glowのカウンセリングで理由を掘り下げていくと、次の3つに分かれることがほとんどです。
- 人目: 女性が多い空間に男性ひとりで入ること自体への抵抗
- できない姿: 周りについていけない・動きがぎこちない自分を見られること
- 服装と体型: 何を着ればいいか分からない、体型が気になる
この3つは、実は同じ対策では解決しません。
「人目」は場所選びで、「できない姿」は指導の形式で、「服装と体型」は事前の情報収集で、それぞれ解消していける問題です。
形態別に見た男性の始めやすさ
ピラティスの通い方は、大きく4つに分けられます。
それぞれの向き不向きを整理します。
| 形態 | 男性の始めやすさ | 向いている状況 |
|---|---|---|
| グループのマットレッスン | 低〜中 | 費用を抑えたい・人数の多さが気にならない |
| 少人数のマシンレッスン | 中 | 器具の補助を受けながら少人数で進めたい |
| プライベート(1対1) | 高 | 人目が気になる・体の状態に個別対応してほしい |
| オンライン | 高 | 自宅で試したい・移動時間を取りにくい |
「人目」がいちばんの壁になっている場合は、プライベートかオンラインから入るのが現実的です。
「できない姿を見られたくない」が主な理由の場合も、指導者が1人ずつ見てくれる形式のほうが結果的に早く慣れていきます。
費用面では、プライベートはグループより高くなる傾向があるため、最初の数回だけプライベートで基本を覚え、その後グループに移るという進め方もあります。
マシンとマットのどちらから始めるかで迷った場合は、マシンピラティスとマットピラティスの違いとは?リフォーマーの仕組みから初心者の選び方まで解説を参考にしてみてください。
予約前に確認しておきたい3つのこと
スタジオを決める前に、次の3点を問い合わせで確認しておくと、当日のギャップが減ります。
- 男性会員の受け入れ実績があるか — 「男性の方も通われていますか」と聞くだけで、雰囲気の情報が返ってきます
- 男性用の更衣室・シャワーがあるか — 女性専用設備のみのスタジオもあるため、事前確認が確実です
- 初回に個別で見てもらえるか — 初回だけ個別対応があるかどうかで、初日の負担が変わります
服装については、動きやすいTシャツと膝下丈以上のパンツがあれば足ります。
体のラインが出るウェアは必須ではなく、指導者が動きを確認しやすいよう、極端にゆったりしすぎないものを選べば問題ありません。
靴は使わず、裸足か滑り止め付きの靴下で行うスタジオがほとんどです。
男性がピラティスに向くケース・向かないケース
効果があるかどうかは、男性か女性かではなく、目的との相性で決まります。
現場で見てきた範囲での目安を整理します。
向いているケース- デスクワーク中心で、姿勢の崩れや首肩の張りが気になっている
- 筋トレを続けているが、フォームが崩れる・特定の種目で狙った部位に効かない
- 体が硬く、しゃがむ・腕を上げるといった基本動作に窮屈さがある
- ゴルフや野球など、体をひねる動作を伴う競技をしている
- 強度の高いトレーニングが体力的に続かず、低強度から立て直したい
- 体重を大きく落としたい
- 筋肉量を増やして体を大きくしたい
- 数か月で見た目を明確に変えたい
- 安静時にも強い痛みやしびれがある
悩み別の判断表 — 最初に選ぶ形態と筋トレとの順番
上の分類を、実際の行動に落とし込める形にまとめました。
今いちばん強い悩みの行を見てもらえれば、最初の一歩が決めやすくなります。
| 今いちばんの悩み | 最初に選ぶ形態 | 筋トレとの順番 | 注意したいこと |
|---|---|---|---|
| 人目が気になって踏み出せない | プライベート/オンライン | ピラティスを先に、慣れてから筋トレを追加 | 慣れてきたらグループへ移して費用を下げる |
| 筋トレのフォームが崩れる・伸び悩む | 少人数マシン/プライベート | 同じ日なら筋トレ→ピラティスの順 | ピラティスの直後に高重量を重ねない |
| デスクワークで姿勢や首肩の張りが気になる | グループマット/プライベート | 並行して始めて問題ない | 姿勢の維持には背面の筋力も必要になる |
| 体が硬く、基本動作に窮屈さがある | マシン(器具の補助が効く) | ピラティスを先に、可動域が出てから筋トレ | 反動をつけて可動域を稼がない |
| 体重を落としたい・体を大きくしたい | 主役にはしない | 筋トレと食事が主役、ピラティスは補助 | ピラティス単独では目的に届きにくい |
なお、この表の順番を決めるときは、体の状態より先に「何が恥ずかしいのか」から入るほうが最初の1回に進みやすい傾向です。
人目そのものが理由ならまず場所を変え、うまくできない姿を見られたくないのが理由なら1対1で教わる形を先に置く、という分け方です。
男性の場合は後者が理由になっていることが多く、ここを取り違えるとグループに申し込んで1回で足が止まる、という結果になりがちです。
「向かない」に入る4つは、男性だから合わないという意味ではありません。
これらはピラティス単独では狙いに届きにくい目的です。
体重や筋肉量を動かすには、負荷を段階的に上げていく筋トレと食事の設計が主役になります。
姿勢を整えたうえで維持する筋力まで必要な理由は、ピラティスで姿勢は本当に変わる?猫背・デスクワーク姿勢が整うメカニズムと限界で詳しく扱っています。
筋トレとの併用の順番については、ピラティスと筋トレ、どっちを選ぶ?違い・併用の順番・整体との使い分けを10年指導の代表が解説もあわせてご覧ください。
なお、安静時にも痛みやしびれがある場合は、運動を始める前に医療機関で状態を確認することをおすすめします。
Re:Glowの現場視点 — 筋トレ指導の側から見た男性とピラティス
筋トレ指導の側から男性の体を見ているからこそ、スタジオの中だけでは見えにくい部分に気づくことがあります。
男性会員と向き合ってきた中で見えてきた傾向を2つ紹介します。
現場視点1: 「ベンチは伸びるのに背中に効かない」男性に共通する胸椎のロック
男性の初回カウンセリングで多い相談が、「ベンチプレスの重量は伸びているのに、背中の種目だけ効いている感じがしない」というものです。
そこで前述のバンザイチェックを行うと、腕が耳の横まで上がらず前に流れる方が目立ちます。
続けて壁立ちチェックを行うと、肩甲骨は壁につくのに、腰を大きく反らせて帳尻を合わせている方が多くなります。
背骨のうち肋骨がつながっている胸の部分を胸椎と呼びますが、この胸椎が丸まったまま固まり、肩甲骨が動く土台を失っている状態です。
このタイプの方には、いきなり重量を追わず、順番を組み替えて進めます。
まず四つ這いで胸を開く胸椎の回旋動作を行い、背骨まわりの動きを出します。
次に仰向けで手足を交互に動かすデッドバグで、腰を反らせずに体幹を安定させる感覚をつかんでもらいます。
そのうえで軽い重量のローイングに戻ると、「初めて背中に効いた」という反応が返ってくることが多く、延べ3,000件以上のセッションを重ねる中で繰り返し見てきたパターンです。
制御を先に整えると出力側の種目まで変わるという点で、ピラティス経験のある男性が背中の種目を習得しやすいのも同じ理由だと考えています。
現場視点2: 男性の「恥ずかしい」は『人目』より『できない姿』に寄っている
もう1つ、男性特有の心理面についてお伝えします。
運動を始めるときの抵抗感について尋ねると、女性からは「体型を見られたくない」という答えが多く返ってきます。
一方で男性から返ってくるのは、「できないところを見られたくない」という答えが中心です。
「筋トレは自己流でやってきたので、間違っていると指摘されるのが気まずい」という言葉が、初回でよく出てきます。
そのため、Re:Glowの初回セッションでは、フォームの修正点を最初にまとめて指摘しない進め方をとっています。
まず今できている動きを1つ確認してから、変えると楽になる点を1回につき1つだけ伝える、という順番です。
男性会員からは「思っていたより気楽だった」という感想が返ってくることが多く、初回の心理的な負担は場の作り方でかなり変えられると感じています。
ピラティススタジオを選ぶ際も、初回に個別で見てもらえるかどうかを確認しておくと、この部分の不安が下がりやすくなります。
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周囲の目が入らない完全個室で、姿勢の確認から筋トレまでを組み立てるパーソナルセッションを両店舗で行っています。
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よくある質問
Q. ピラティスのスタジオに男性ひとりで行っても浮きませんか?グループレッスンでは男性の参加者が少ないスタジオが多いのが実情です。
人目が気になる段階では、プライベートレッスンかオンラインから始めると、この点は問題になりません。
Q. 筋トレとピラティスは併用できますか。同じ日にやってもいいですか?併用は可能です。
同じ日に行う場合は、高い集中力が必要な筋トレを先に、体を整えるピラティスを後に置く順番が組み立てやすい傾向です。
Q. 体が硬すぎてポーズが取れないのですが、始めても意味がありますか?意味はあります。
ピラティスは可動域の広さを競うものではなく、動かせる範囲を正確に使う練習が中心のため、硬い状態からでも取り組めます。
Q. ピラティスだけで痩せられますか?体重を大きく動かす目的では、ピラティス単独だと届きにくい傾向があります。
消費エネルギーを増やす運動と食事の設計を組み合わせるほうが、目的には近づきやすくなります。
なお、Re:Glowではピラティスのセッション自体は行っておらず、姿勢改善のトレーニングや組み合わせ方のご相談を無料カウンセリング&無料体験で承っています。
まとめ
ピラティスは男性にも効果が期待できるエクササイズです。
「女性のもの」というイメージはエクササイズの中身ではなく、現在のスタジオの客層から生まれたものです。
筋トレを続けている男性は、出力に対して制御が追いついていない状態になりやすく、そこを埋める手段としてピラティスが働きます。
体が硬い男性も、柔軟性を競う運動ではないため始められますし、動かせる範囲が狭いところからのほうが変化を感じ取りやすくなります。
一方で、体重を落とす・筋肉量を増やすといった目的では、ピラティス単独だと届きにくい部分があります。
そして実際のハードルは、効果ではなく場選びにあります。
人目が気になるならプライベートかオンライン、費用を抑えたいならグループというように、恥ずかしさの中身に合わせて形態を決めるのが近道です。
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今の体に必要なのが制御なのか筋力なのか、一緒に整理してみませんか。
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