「更年期に入ってから体力が落ちた気がするけれど、激しい運動をする気力がない」「ヨガや筋トレを勧められたけれど、自分の体に何が合うのか分からない」——Re:Glowのカウンセリングでも、こうした声を更年期世代の方からよくお聞きします。
結論からお伝えすると、更年期の運動の選択肢として、ピラティスは十分に検討に値します。
関節への衝撃が少なく、呼吸を意識しながら低い強度で行えるため、体力や気力に波がある時期でも取り組みやすいという特徴があるためです。
ただし、ピラティスであれば何でも解決するわけではありません。
更年期太りが気になる場合や、体を長期的に支える力をつけたい場合は、筋力トレーニングとの組み合わせが必要になる場面もあります。
この記事では、更年期に体で起きている変化を整理したうえで、なぜ低強度×呼吸のピラティスが取り組みやすいのか、ヨガとの違い、そして50代からの始め方までを、パーソナルトレーニングの現場からお伝えします。
なお、Re:Glowはパーソナルトレーニングを専門とする完全個室のジムで、ピラティスセッション自体は現時点で提供していません。
本記事は、更年期世代の指導に携わる立場から得た知見として、ピラティスに関する情報を整理したものです。
症状が重い場合や持病がある場合は、自己判断で運動を始めず、婦人科などの医療機関にまずご相談ください。
結論 — 更年期の体に、低強度×呼吸のピラティスが合う理由
更年期の運動として、ピラティスが選択肢に挙がりやすい理由は大きく2つあります。
1つ目は、関節への負担が少ないことです。
ジャンプや強い衝撃を伴う動きがほとんどなく、マットの上や専用の椅子・マシンを使いながら、自分のペースで負荷を選べます。
2つ目は、呼吸を重視する運動であることです。
ゆっくりとした呼吸に合わせて体を動かすため、心拍数を急激に上げずに体幹や姿勢に働きかけられます。
更年期の時期は自律神経が揺らぎやすく、急な高強度の運動がかえって負担になる場合があるため、この「呼吸を伴う低強度」という特徴が相性の良さにつながっていると考えられます。
ただし、ピラティスを行えば更年期の不調がすべて和らぐという意味ではありません。
効果の感じ方には個人差があります。
ここから先は、更年期に体で起きている変化、ピラティスが向いている理由、ヨガとの違い、そして始め方までを順番に整理していきます。
更年期に起こる体の変化 — 自律神経・睡眠・関節・骨に何が起きているか
更年期は、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が急激に減っていく時期にあたります。
公益社団法人 日本産科婦人科学会「更年期障害」や厚生労働省「働く女性の心とからだの応援サイト:更年期」では、この時期に自律神経・睡眠・関節・骨など、体の複数の機能に変化が現れやすいことが紹介されています。症状の出方や強さには個人差が大きく、ほとんど感じない方もいれば、日常生活に支障が出るほど強く出る方もいます。
自律神経の乱れによるほてり・発汗・気分の波
エストロゲンは自律神経の働きにも関わっているとされ、その低下によってほてり(ホットフラッシュ)や急な発汗、気分の波が出やすくなる傾向があります。
運動中に急に汗が出たり動悸を感じたりする方もおり、強度の高い運動がかえって負担になる場合があります。
睡眠の質の低下
自律神経の乱れは睡眠にも影響し、寝つきが悪くなったり、夜中に目が覚めやすくなったりする方が増える傾向があります。
睡眠不足が続くと日中の疲れやすさにもつながるため、運動の強度や頻度を体調に合わせて調整する視点が欠かせません。
関節のこわばり・違和感
エストロゲンには関節軟骨を保護する働きもあるとされており、その低下で関節のこわばりや違和感が出やすくなる方も一定数います。
膝・股関節・手指のこわばりを訴えるケースが現場でも見られます。
骨密度の低下
閉経前後はエストロゲンの急激な減少に伴い、骨密度が低下しやすい時期でもあります。
骨に適度な負荷をかける運動は骨の健康維持に役立つとされる一方、関節に強い衝撃を与える運動は避けたい時期でもあり、運動の選び方に難しさを感じる方が多い背景になっています。
要点: 更年期には自律神経・睡眠・関節・骨という4つの領域で変化が起こりやすく、いずれも「強度をどう調整するか」が運動選びの鍵になる
なぜ低強度×呼吸法の運動が更年期に取り組みやすいのか
前章で見た4つの変化に対して、ピラティスの「低強度×呼吸」という特徴がどう関係するのかを整理します。
呼吸を意識することで、自律神経に働きかけやすい
ピラティスは、動きに合わせてゆっくりと深い呼吸を行うことを重視する運動です。
呼吸をゆっくり整えながら動くと、息が上がる運動に比べて気持ちが落ち着きやすいと感じる方が多いという印象があります。
ほてりや気分の波を感じやすい更年期の時期に、呼吸を伴う運動が選ばれやすい理由のひとつです。
心拍数が急上昇しにくく、体調の波に対応しやすい
ピラティスはジャンプやダッシュのような急激な動きが少なく、心拍数を緩やかに保ちながら体を動かせます。
「今日は少し疲れている」という日でも、動きの範囲や回数を調整することで無理なく続けやすい構造になっています。
関節への衝撃が少なく、骨・関節が不安な時期でも取り組みやすい
床への強い着地やひねりを繰り返す動きが少ないため、関節がこわばりやすい時期や骨密度が気になる時期でも、比較的取り組みやすい運動とされています。
ただし、骨密度が大きく低下している場合や骨粗しょう症の診断を受けている場合は、始める前に医師へ確認することをおすすめします。
体調のサインに合わせて強度を調整する目安
更年期は同じ人でも日によって体調の波が出やすいため、その日のサインに応じて強度を切り替える目安を持っておくと安心です。
ホットフラッシュ・のぼせが出た日: 動きの範囲を狭め、呼吸を整えることを主目的にしたメニューに切り替える方法があります。汗が引くまで椅子に座った状態で行える種目に留めておくと、無理なく続けやすくなります。
前日の睡眠が浅く、疲労感が強い日: 筋力を使う種目よりも、股関節や背骨の可動域を広げるゆっくりとした動きを中心に組み立てる方法があります。疲れている日ほど強度を上げて「取り戻そう」とすると、翌日にさらに疲れが残りやすくなる点に注意が必要です。
骨密度の低下が気になる時期: ひねりを強く加える動きや、床に強く着地する動きは避け、体重を支える程度の穏やかな負荷に留める考え方があります。骨粗しょう症の診断を受けている場合は、動きの範囲について事前に医師へ確認しておくと安心です。
要点: 呼吸を伴う低強度という特徴が、自律神経の揺らぎ・体調の波・関節や骨への負担という更年期特有の課題と噛み合いやすく、その日のサインに応じて強度を切り替える目安を持っておくと続けやすい
ピラティスとヨガ、更年期にはどちらが合う?
更年期の運動を検討する際、「ヨガとピラティス、どちらが合うのか」という質問もよくいただきます。
どちらも呼吸を重視し、強度を調整しやすい運動という共通点がありますが、目的の重心が異なります。
ヨガが向いている場合
ヨガは、ポーズを一定時間キープしながら呼吸を深めていく要素が中心です。
柔軟性を高めたい、リラックスや気持ちの切り替えを重視したいという方に向いている傾向があります。
瞑想的な要素を含むプログラムも多く、自律神経を落ち着かせたい目的が強い方に選ばれやすい運動です。
ピラティスが向いている場合
ピラティスは、呼吸に合わせて体幹まわりの筋肉を意識的に使いながら動く要素が中心です。
姿勢を支える力や、更年期太りが気になる体の使い方を見直したいという方には、ヨガよりも体幹への働きかけが強いピラティスが選ばれやすい傾向があります。
両方に共通する注意点
どちらを選ぶ場合も、体調の悪い日は強度を落とす、痛みが出たらすぐに中止するという基本は共通します。
「どちらが優れているか」ではなく、今の目的(リラックス重視か、体幹を使いたいか)で選ぶという考え方が実用的です。
要点: リラックス・柔軟性重視ならヨガ、体幹への働きかけを重視するならピラティスが選ばれやすい
更年期太りが気になる人は、ピラティスだけで足りるか
更年期太りの相談とあわせて、「ピラティスだけで体型は変わりますか」という質問を受けることもあります。
結論としては、ピラティス単独では体重管理への直接的な効果は限定的になりやすいと考えられます。
理由は運動強度です。
ピラティスは低強度で行う運動のため、消費カロリーや筋量の増加という点では、負荷をかける筋力トレーニングに比べて働きかけが穏やかになります。
更年期は筋量・基礎代謝が低下しやすい時期でもあるため、体重管理を主な目的とする場合は、体幹の使い方を整えるピラティスに加えて、一定の負荷をかける筋力トレーニングを組み合わせる考え方が現実的です。
更年期のダイエットがうまくいかない要因を詳しく知りたい方は、更年期ダイエットがうまくいかない3つの原因と、パーソナルジムで立て直す方法もあわせてご参照ください。
一方で、ピラティスで体幹の使い方や姿勢が整うと、日常生活での活動量が増えやすくなったと感じる方もいます。
「体を動かす土台を整える運動」と「代謝を底上げする運動」は役割が異なるため、目的に応じて組み合わせを検討することをおすすめします。
50代からピラティスを始める方法 — 形式選び・強度・チェックポイント
50代からピラティスを始める場合、いきなり通う場所を決めるのではなく、以下の順番で検討すると失敗が少なくなります。
ステップ1: 体調・持病の確認
高血圧や心疾患、関節の疾患などの持病がある場合は、始める前に主治医に運動の可否を確認してください。
更年期症状が重い場合も同様に、婦人科などの医療機関へ相談することを優先してください。
ステップ2: 形式を選ぶ(マット・マシン・チェア)
床に寝転んで自重で行う「マットピラティス」、リフォーマーというマシンでばねの抵抗を使う「マシンピラティス」、椅子に座って行う「チェアピラティス」の3形式があります。
床からの立ち座りに不安がある場合や、関節への負担をより抑えたい場合は、マシンピラティスやチェアピラティスから検討すると強度を調整しやすくなります。
ステップ3: 体調に合わせて頻度を決める
更年期は体調の波が出やすい時期のため、最初から高頻度を目指す必要はありません。
週1〜2回程度から始め、体の反応を見ながら調整していくのが継続しやすい進め方です。
ステップ4: 指導者に体調の変化を伝えられるか確認する
ほてりや疲れやすさなど、更年期特有の体調変化を伝えたときに、メニューを調整してもらえるかどうかも確認しておきたいポイントです。
体験レッスンの際に、こうした相談がしやすい雰囲気かどうかを見ておくと安心です。
シニア世代がピラティスに取り組む際の注意点は、ピラティスは高齢者でもできる?シニアに期待できる効果と安全に始めるための注意点でも詳しく解説しています。
要点: 体調確認→形式選び→頻度調整→指導者への相談のしやすさ、の順で検討すると更年期からでも始めやすい
Re:Glowの現場視点 — 更年期世代と向き合って見えてきたこと
Re:Glowはピラティス専門のスタジオではなく、筋力トレーニングと食事サポートを中心とした完全個室のパーソナルジムです。
更年期世代の運動については、更年期の運動にパーソナルジムが向いている理由|体の変化に合わせたトレーニングでも取り上げていますが、ここではピラティスという選択肢との向き合い方から見えてきた2つの傾向を紹介します。
現場視点1: 「今日の体調」を最初に確認する仕組みが、更年期世代の継続を支えている
延べ3,000件以上のセッション(2024年10月〜現在、Re:Glow集計)の中には、更年期世代のお客さまも多く含まれます。
あるお客さまは、いつも通りセッションに来られたものの、開始前の確認で「今朝からほてりがひどく、電車の中でも汗が止まらなかった」と話してくださいました。
その場で予定していたスクワットや体幹種目を見直し、椅子に座ったまま行う呼吸中心のメニューと、軽い負荷でのヒップリフトに切り替えました。
セッション後には「今日は無理かと思ったが、体を動かせてよかった」という感想をいただき、種目を決める前に体調を確認するという順番の大切さを改めて感じた場面でした。
Re:Glowでは、この確認を毎回のセッション開始時に行う運用にしています。
この「毎回聞く」というひと手間が、「体調が悪い日は無理をしなくていい」という安心感につながり、結果として長く続けやすくなっていると感じています。
現場視点2: ピラティスやヨガの経験がある方は、体幹の感覚はあるが「支える筋力」が不足しているケースが多い
ピラティスやヨガを長く経験されてきたお客さまから、「駅の階段を降りるときに膝がカクッとなる感覚がある」という相談を受けたことがあります。
初回のセッションで動きを確認すると、体幹を意識して使う感覚はすでに身についている一方、太もも前面やお尻の筋肉が実際の体重を支える練習をあまりしてこなかったことが分かりました。
軽い重さでのゴブレットスクワットと、椅子からの立ち座り動作を数週間かけて少しずつ増やしたところ、「階段で膝がカクッとなる感覚が減った」という報告をいただきました。
体幹を「使う感覚」と、日常の動作を「支える筋力」は別のものとして鍛える必要がある、と実感した出来事です。
体幹の感覚がすでにある分、こうした種目のフォーム習得はスムーズに進みやすいという印象があります。
三鷹台店・深大寺店のセッション環境
Re:Glowはピラティスのセッションこそ提供していませんが、更年期世代の体調に合わせた筋力トレーニングと姿勢へのアプローチを、完全個室の環境で両店舗にて行っています。
体験無料
- アクセス:京王井の頭線 三鷹台駅 徒歩6分
- 住所:東京都三鷹市井の頭2-11-16 ARKHOUSE井の頭101(B1F)
完全個室・手ぶらOK。まずは無料体験へ
体験無料
- アクセス:京王線 調布駅から車で約10分/バスで約15分
- 住所:東京都調布市深大寺東町2-7-2 meedo03号室
完全個室・手ぶらOK。まずは無料体験へ
まとめ
更年期の運動としてピラティスが選ばれやすい理由を整理すると、呼吸を伴う低強度という特徴が、自律神経の揺らぎ・睡眠の質・関節や骨の変化という更年期特有の課題と噛み合いやすいことにあります。
一方で、更年期太りへの対策や体を長期的に支える力をつけたい場合は、ピラティス単独では限界があり、筋力トレーニングとの組み合わせが現実的な選択肢になります。
50代から始める場合は、体調・持病の確認、形式選び、無理のない頻度設定という順番で検討すると、更年期特有の体調の波にも対応しやすくなります。
Re:Glowでは、更年期世代の体調に合わせた筋力トレーニングと姿勢へのアプローチを、完全個室の環境でご提案しています。
「何から始めればいいか分からない」という方は、無料カウンセリング&無料体験でご相談ください。
よくある質問
Q1. 更年期でピラティス未経験でも始められますか?未経験でも始められる方が多い運動です。
低強度で動きの難易度を調整しやすいため、運動経験が少ない方でも取り組みやすいとされています。
持病がある場合は、始める前に医師に相談してください。
Q2. ホットフラッシュやのぼせがある日でも運動していいですか?症状が強い日は、無理に運動強度を上げないことをおすすめします。
呼吸を意識した軽い動きであれば継続できる場合もありますが、個人差があります。
症状が強く日常生活に支障が出る場合は、婦人科などの医療機関への受診を優先してください。
Q3. 更年期太りにはピラティスと筋トレ、どちらが向いていますか?体重管理を主な目的とする場合は、負荷をかける筋力トレーニングの方が働きかけが強くなる傾向があります。
ピラティスは体幹の使い方や姿勢を整える役割が中心のため、組み合わせて取り入れる考え方が現実的です。
Q4. 更年期にはヨガとピラティス、どちらから始めるべきですか?リラックスや柔軟性を重視したい場合はヨガ、体幹への働きかけを重視したい場合はピラティスが選ばれやすい傾向があります。
どちらも低強度で調整しやすい運動のため、体験レッスンを受けて続けやすいと感じた方を選ぶのも一つの方法です。
あなたの状況に合わせた次の一歩











